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由緒正しい古典フレンチ ~トゥールダルジャン東京~

0704tourAicon2007ri_1久しぶりに「トゥールダルジャン(LA TOUR DARGENT)」を訪問した。エントランスから薄暗い深海のような碧いアプローチを通るときはいつも気分が盛り上がる。
 シャンパーニュを注文し、窓の外に広がる日本庭園を眺めながら、ゆっくりとバーラウンジで食前酒を頂く。薄暗い照明の中に浮かび上がる肖像画、フランス革命時のボトルや食器がフランス料理そのものの歴史を感じさせる。

 ダイニングのテーブル間隔は十分取られているため、さほど客が多くないこともあいまって、ゆっくりと優雅な気分で食事が出来る。適度な接客のサービスは相変わらず素晴らしい。目がちょっとあえばスッと横に来てくれるし、話が弾んでいるとしばらく二人きりにしてくれる。その出し入れはさすがだ。

 当然ながらトゥールダルジャン特製「フォワグラ三皇帝風」を頂く。既にブルゴーニュの白を頼んでいるにもかかわらず、ワゴンが登場し「ソーテルヌでもいかがですか?」と勧められた。
 「確かにフォワグラにはソーテルヌだが、そんな古典的な合わせ方は今時はやらないのに??」と内心思いつつお断りした。しかし登場したフォワグラは非常に濃厚で、鴨の脂がのりきったクラシックな味わい。「なるほど!こんなフォワグラにならソーテルヌに合わせて見ると面白かったかなぁ」と少し後悔をする。

 そして「ホッキ貝と毛蟹のファルス季節野菜のコンフィとクリュスタッセのフラン」。貝と蟹の濃厚な海の味わいが口の中で広がる。盛り付けもトゥールダルジャンにしては?現代的なアート感覚なプレート。トリュフの風味も感じる。
 口に含むと素材のどっしりとした味わいが再構成される感覚は、意外にも最先端のフレンチか。「コルトン・シャルルマーニュ(Corton Charlemagne)」にぴったりと合った。

200704dargent 続いて「平目のシャンパーニュ蒸し キャビアを添えて」。古典的な味わいと言えばいいのだろうか・・やわらかく仕上げた平目の身をほぐしながらソースにからめて頂く。あまり最近は口にしない感じの出来上がりだ。

 この夜、カードに打たれた鴨の番号は19万を超えていた。雰囲気・サービス・調度品と素晴らしいレベルを維持している。料理は頑なに昔を守り、現代のコンテポラリーフレンチとは意識的に距離を置き続けている。基本古典好きの妻でさえ「美味しいんだけど、翌日はお昼食べれないかもぉ?」と言う「昔ながらのフレンチ」といえばイメージが伝わるだろうか。
 流行りの最先端フレンチレストランの勢いと比較すると、テンションはやっぱり上がらないかもしれないが、これはこれでまた、歴史を奏で続ける貴重なフレンチレストランと言えるのだろう。

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