「ブノワ」で本物のビストロを味わおう

1912年パリに創業したビストロ・ブノワ。「全てのパリ市民が愛する、老舗ビストロ」と賞されるこのお店は、パリ市内のビストロで唯一ミシュラン1つ星を持つの。最近、オーナーのプティ家から、アラン・デュカスが経営権を取得した。最初、アラン・デュカスが東京・青山にこの「ブノワ」を出店すると聞いた時は感激したものだわ。
「ビストロ」といってもわれわれ日本人が頭に浮かべるビストロの概念を覆す。上質の空間に、上質のサービス、そして素材を全面に押し出したフレンチ。チュウトハンパなフレンチ風レストランでは到底たちうちできないレベルだ。
コース(8000円・11000円・14000円)もあるが、ここブノワではぜひアラカルトを楽しんで欲しい。オードブル・ブノワ。2品(1600円)3品(2400円)4品(3200円)から選択できる。「アーティチョーク ポワブラードのバリグール風」。イタリア産の大振りのアーティチョークにバジルで味付けをしている。力強い苦みと風味が口の中に広がる。ただしオードブルは少量で食べ応えはないので、欲張って4品頼むより、2品程度で十分かな。むしろ前菜やメインを思う存分チョイスすべき。
「帆立貝のスナッケとそのジュ アンディーブとともに」。肉厚たっぷりの帆立貝は表面にやさしく火が入れてあるが、中身はジューシー。口いっぱいに帆立を頬張ると、魚と肉の両方のジュで仕上げた旨みが染み出てくる。
「フォワグラのコンフィ 桃とアーモンド」。非常に美しいプレートだ。フォワグラのコンフィは、最近フランスのレストランで流行の細長い形状に、かりっと焼き上げた生地が周りを包んでいる。桃とそのジュレがやさしい甘味となりフォワグラと抜群の相性を見せる。アーモンドがコリカリとアクセントになる。
「子羊背肉のロティとそのジュ 春野菜のグラッセ」。キャレだけでなく、太腿部分を使ったソーセージもあわせられている。そして子羊のスープが目の前で注がれて完成する。子羊はどうしてもその独特の脂からくる香りが強烈なのだが、スープは非常に繊細な味わい。乳飲み子羊の柔らかい肉質、子羊の香りを一緒に味わえる絶品だった。
うん、こんなに美味しい旨みのある「子羊」は久しぶりだったわ。ただ美味しいだけじゃなく、美しいアートなプレートや上質のカラトリーなど、「日本のビストロ(レストラン?)」は少し考えるべきよね(笑)
最後デザートに来てがっかりするレストランも多い中、最後の最後まで「美味しいフランス」をこちらでは味わえたわ。「イチジクのティアン」は南仏らしいラベンダーの蜂蜜とピッタリ。定番なはずのショコラとオレンジソルベの組み合わせも、この「ル・ブノワ」に至っては新鮮な食感とバランスに感動。
付け合せもシンプルだが素材の旨みをストレートに表現してある。かといって日本のビストロのような「皿にドン」ではなく、非常に綺麗な洗練された盛り付け。サービス料は取らないが、付かず離れずの目配りの行き届いた、自信にあふれたサービスは気持ちよい(サービス料を取りながら、客の気持ちの動きや潜在的な要望を感じ取れないフレンチレストランも少なくないが、参考にして欲しいものだ)。
シェフはイタリア人のマッシモ・パスカレッリ。なお「フード・フランス」(アラン・デュカスが、フランスの地方で活躍する若手にスポットライトを当てて、その料理を特集)日本開催2年目の今年は、この「ブノワ」で開催されている。
それに外せないのは店内デザイン。とにかくフレンチスタイルが可愛い素敵♪ しかしこれを乙女チックだと勘違いすることなかれ、計算された上質の南仏邸宅風。シャンデリア・壁紙・カーテン・家具・窓外のオブジェに至るまで、細かなこだわりがある。カラーもフランス特有の赤を巧みに織り込んでいるわ。
頼りになる素敵でスマートなサービスと、美味しさと景色とインテリアと会話と・・・全てを楽しんで欲しい。さらに驚くのはコストパフォーマンスに優れている事。老若男女、デートやパーティーなど様々な用途に利用できる。
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