コートドール、温かく懐かしい日本のフレンチ
住宅街の細い路地にあり、広い庭が印象的な老舗フレンチレストラン「コート・ドール」。1986年のオープンから20年を経たわ。「磨き上げられたキッチン」がよく話題にのぼるけれど、まさにその精神が反映されている、清潔なテーブルクロスや化粧室、落ちつた絵画に家具、手入された庭や玄関先など。決して豪華な作りではないし、垢抜けているわけでもないけど、客が快くフレンチを頂くことに最大限意を配っているのがわかる。それはサービスにも現れていて、優しく温かいスタッフの人柄も感じる事ができる。

選び抜かれたメニューの中からアラカルトで選択する。シェアを前提に「お二人様だと4プレート程度がちょうどいいです」と勧めてくれる。1981年5月、パリのランブロワジーをベルナール・パコー氏とともに立ち上げ、82年ミシュラン一つ星、83年ミシュラン二つ星(現在はミシュラン三つ星)を取った斉須政雄シェフの選りすぐりのアラカルトだ。
アミューズ「赤ピーマンのムース、トマトソース」。斉須シェフのスペシャリテの一つ。今日はアミューズで頂けた。最近ではこの赤ピーマンのムースも様々なレストランで目にすることが多くなった。コート・ドールのムースは、他店のより固形感を感じ、口の中でよりじっくりと溶けていく。調味料を強く感じるムースも多いが、後味もピュアな赤ピーマンの旨みだけだ。
前菜一皿目「野菜の蒸し煮(エチュベ)コリアンダー風味」。この前菜も他店でよく口にするが、一つ一つの野菜が生き生きとしている。酸味も強すぎず、柔らかいまとまり具合だ。ただ、野菜を生かしたプレートとしては、タテル・ヨシノの夏野菜やトトキの13種類の野菜の方が上だった。
前菜2皿目「フォワグラ」。表面にはコリアンダー、白胡椒がわずかにふられており、口の中でのふくらみにアクセントを与えてくれる。斉須シェフはコリアンダーシートを多用するので、アラカルトの選び具合によってはややワンパターンな感じを受けることになる。
魚は「博多産クエの煮込み」。上質なクエはプリリとした食感を残しつつバランスよく蒸しあげられている。贅沢に使われたカマの部分には火を入れて別の食感を提供する。ソースもバター、クリームをほのかに感じる程度で、最近のフレンチからするとかなり薄味だ。テーブルに何気なく置かれた塩・胡椒のビン!に「足りなければどうぞ」という自信を感じる。
肉はサービスの方の忠告?も聞かずに2皿注文。1皿目は「ニュージーランド産子羊のポワレ」。ニュージーランド産子羊の強く脂をほくほくに旨みに昇華させている。ニュージーランド産はあまり好きではないのだが、ジューシーな火の入れ方といい、味わいといい、まさに「子羊」にかぶりつくというプレートだ。
最後は、斉須シャフのスペシャリテ「牛のしっぽの煮込み赤ワインソース」。これもドンと迫力のある味わい。口の中で溶けていくような牛のしっぽを最後までむしり取るように頂く。
最先端のフレンチとは対極に位置するので、若い世代には物足りなく思う向きも少なくなかろう。しかし1990年代日本フレンチの原点、日本フレンチの出発点を味わえるというか、考えさせるレストランだ。
前にも触れたが、このレストランで一番関心した点は何よりサービス。フランスで受けるようなキリリとしたサービスではない。「心地よく食べてほしい、何なりと言ってほしい」というおもてなし・ホスピタリティにあふれたサービスだ。ワインリストも贅沢・豊富ではないが、限られた中でソムリエの方が知恵を絞った工夫の痕がうかがえる、そんな優しいリストだった。
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前菜は、タコのテリーヌ仕立て。北海道産のタコを薄く切りテリーヌのように長方形にデザイン。添えられたうどのマリネのきれいな酸味と柔らかい歯ごたえとともに楽しく頂く。プレートを彩る赤ピーマンのクーリーが視覚的にも味わい的にもアクセントになっている。






1本1050円。祇園祭の為の菓子が、今では通年商品になっているけど、やっぱり夏じゃないと本領発揮しない菓子ね。見た目は羊羹みたいだけど、味は確実に別物。琥珀色なしたたりは、寒天菓子の一種。開ける前からプルプルとやわらかく、崩れてしまうような気がするけどご心配なく。上質の腰の強い丹波の寒天を使い、食感に弾力さえ感じるほど。味はガッツリくるほどの黒砂糖。沖縄波照間島産の黒砂糖を使用してるそうで、黒蜜のかたまりを食べてるような感覚になるくらい、さっぱりとした食感のわりにガッツリくる。





