« 2007年9月 | トップページ | 2007年11月 »

ジョルジュ・マルソーで、福岡の秋を味わう

0710gmAicon2007ri_1京都では特に感じるが、食の真髄の一つに「季節感」がある。ここで言う季節感には、素材はもちろん、調理法、付け合わせ、ソース、さらに香りや温度、プレートの素材感も含まれる。
 そこで福岡、更にフレンチでこの複合的な「季節感」をうまく表現しているといえば、「ジュルジュ・マルソー」になるだろう。和食からフレンチの世界に進んだ小西シェフらしく、繊細な火入れによる素材の旨みの引き出し方が抜群だ。

 季節の野菜をふんだんに盛り込んだ前菜。ほのかな火の入れ具合による温かみを感じるこの前菜は「秋」を感じさせる。前菜なのにペルドローも織り交ぜているところが、サービス精神にあふれる小西シェフらしい。
 肉は半畜の鴨に繊細に火を入れ、柔らかい塩の振り。ジューシーだが力強い鴨肉がおいしい。ジビエではなかったものの十分おいしく頂けた。
 福岡ではジビエをおいしく食べられるフレンチレストランはほとんどなく悲しい。冬のフレンチの楽しみはジビエに始まりジビエに終わる。ぜひジョルジュ・マルソーでジビエを味わって欲しいものだ(事前に注文した方がいい)。

 バターやクリームが強くなく「現代的軽さ」を表現しているので、フレンチを食べなれていない客にもおいしく頂ける。ただ、フレンチ好きの中にはやや物足りなく思う向きもあるかもしれない。ここは趣味が分かれるだろう。
 秋から冬にかけてフレンチ「ジョルジュ・マルソー」で、「日本の四季」を味わって欲しい。なお、ワインリストの品揃えは「ひらまつ」などに比べると見劣りして残念だが、ソムリエの方にお勧めを聞くと美味しいワインに出会える可能性も高まる。

| | トラックバック (1)

秋の夜長、やっぱり家ワインも楽しい

Aicon2007ri_1ようやく福岡も秋らしくなってきて、ワインのおいしい季節が到来しつつある。今年の夏はさすがに、ワイン消費量も例年よりペースダウンしていたが、そろそろペースアップをはかりたい。

0710today という事でまず、「テタンジェのプレリュード」で乾杯。コント・ドゥ・シャンパーニュより酸味・発泡性が強いものの、似たような味わいでとてもおいしい。ボトルもクール、我が家の平日シャンパーニュの定番になりつつある。軽い前菜とゆっくり楽しむ。
 続いて白ワインは、「エティエンヌ・ソゼのブルゴーニュ・ブラン」。お手ごろな価格帯の村名ワインだが、さすがソゼ。シャルドネの優雅さをうまく表現している。平日に自宅で頂くには十分な美味しさ。凛とした風味と後味は何とも表現できない良さがある。

 やっと本命の赤ワイン、「ラ・プース・ドールのヴォルネイ・プルミエ・クリュ」。決して高貴ではなくまた優雅でもないが、優しく繊細なヴォルネイだ。口に含むと果実実がスーと広がるが瞬く間に消えていく。
 食後酒はお気に入りのシャトー・ギロー。薄く輝く黄金色、鼻にグラスをちかづけると蜂蜜の香りがにおい立つ。口に含むと重厚な甘味が広がるが、キューと広がるような酸味もあり非常にきれもある。ギローだけでも十分デザート、ソーテルヌらしいソーテルヌ。ソーテルヌでしめる初秋の夜は、気持ちをふくよかにさせ心地よい眠りをくれた。

| | トラックバック (0)

最高級フレンチ「エリタージュ」、花火もハート型

Aicon2007ri_1秋の行楽シリーズで、太宰府唐津平戸大村湾などを連載してきた。やはりトリを飾るのは、ハウステンボス迎賓館にある、フレンチレストラン「エリタージュ」だろう。2階がエントランスとなる迎賓館。ウェイティングスペースなので、レストランのみの利用者はここで食前酒など頂く事ができる。広々とした中、鎮座する赤絨毯の階段、豪華な調度品に目を奪われ、しばし気分を盛り上げるのに丁度よい空間。

071009herit

 レストラン自体はその豪華な階段を降りて一階になる。1階は白黒の石床が階段の朱色とのコントラストで、更に派手めな豪華さ。個室を横目にメインダイニングに入る。ダイニングはフローリングで落着いた感じになる。窓際にテーブルが並んだ状態で配置。ハウステンボスの象徴の時計塔や、打ち上げられた花火が絵画の様に見える。

071009herit3

 五島産サバのリエット。ソースはバジルにサバのリエットの上にはカボチャ、そしてキャビアが添えられている。中央にはチーズ風味のサラダ、中にはサバ。美しいだけではなく、リエットは濃厚で食べ応えもあり、絶品の前菜だ。

 うちわ海老と野菜のビスク。本日一番の料理。うちわ海老など甲殻類のエッセンスを凝縮した濃厚なスープの中に、うちわ海老の身が隠れている。ジャガイモの輪状のものがエッセンス。ムルソーに合わせて幸せな気持ちで頂く。

071009herit4

 アマダイのルーロー、アゴ出しのジュ。ジュの下にジャガイモの煮込みが佇む。トリュフのくーリや泡状のジュが美しくこれも素晴らしい1品だ。総料理長の上柿元シェフはハウステンボスにいない時が多いが、それを補うだけの才能を持つ佐々木シェフが留守を守っているようだ。古典的な味わいも残しつつ、現代的フレンチのエッセンス、プレートの美しさも取り込んでいる。

 フランス産ウズラのブレゼ、シードル風味のソース。ウズラはスモークされている。リンゴとフォワグラが添えられ、黒豆がポイント。ただやや皿の上の要素が多すぎて、個人的には気持ちが分散して寄り添えなかった。

071009herit5

 チーズやデザートはワゴンで来る。品揃え豊富で選ぶ楽しさもひとしお。ワインリストも適度の値段で素晴らしいワインが鎮座する。サービス陣も過不足ないサービスを展開する。ハウステンボスのロケーション含めここエリタージュは、日本で有数のフレンチレストランであることは疑いない。これからの季節クリスマスにかけて、デートするにはぴったりの場所だろう。

(注) 残念ながら、ハウステンボスは、上柿元シェフとの提携をやめたよう。
 ボキューズ・ドールの日本代表に選ばれた佐々木シェフも、コンクールを来年平成21年初頭に控えた大事な時期に退職したとのこと。
 上柿元シェフの料理、それを引き継ぐ佐々木シェフの料理を楽しみにしていた「ハウステンボス迎賓館」ファンを置き去りにした、極めて残念かつ不可解な結末といえるだろう。なお、ハウステンボスホテルの統括総料理長には、全日空ホテルからフランス人のローラン・ジャンマリー氏が就任している。(2008/08記)

| | トラックバック (1)

ハウステンボスの運河に浮かぶ白亜の迎賓館

Aicon2007mi秋、この季節はこの場所へ良く来る。長崎は佐世保、ハウステンボスの一番奥にある「迎賓館」。世界各国の賓客をもてなす為に作られたロイヤルゲストハウス。実はここ数年は、一般でも限定で宿泊できるようになってる。ホテル好きの私からすると、九州圏内で満足して宿泊できる唯一だと思っているわ。

0710geih1

 以前も紹介した180m2のロイヤルスイートは、迎賓館の真ん中に配置された造りで、運河を絵のように見下ろす素晴らしい景色。4階の天皇両陛下もお泊りになったという部屋は、伊万里焼きなど更に調度品のグレードが高い。

 福岡から車だと2時間弱でハウステンボスに行ける。この迎賓館の宿泊者に限っては、一般の入り口ではなく、真反対一番奥にあるウエストゲート側から入園するの。門には警備の方々がいて、あらかじめ伝えてある車のナンバーのみを入れてくれる。
 ヨーロッパスタイルの、静かな美しい森に入っていく気分がいい。白亜の館が右手に浮かんで来る、これが迎賓館。入り口まで車を付けるとスタッフ達が出迎えてくれる。

0710geih2

 実質2階が玄関となる迎賓館、1階にあるフレンチレストラン「エリタージュ」のウェイティングフロアとして、一般の方も案内されているわ。チェックイン中、エリタージュのスタッフがウェルカムドリンクを持って来てくれる。夜のディナーの打ち合わせなどするのが楽しい。

 そして部屋。すでに築15年という事もあり、半端に古い印象は仕方ないが、これからかえってクラシックな造りに馴染んでくるという期待がある。湿度の高い季節は置いておいて、今から秋風が吹く季節のここからの景色、海の風は素晴らしい。日本らしからぬ雰囲気はこのハウステンボスならでは。前回書いたようにクルーズしたり、近郊をドライブしたり・・・バカンスを楽しむには良い拠点ね。

0710geih3

 そしてメインは夜のディナーを「エリタージュ」で頂く事。エレベーターでレストラン直結なのは、飲みすぎてベロベロになっても安心な距離(笑) ここでの宿泊の楽しみはもう一つ部屋での朝食。もちろんエリタージュから運ばれてくる。モーニングシャンパンとともに、焼きたてのパンや新鮮な野菜が嬉しい。

 海や山に囲まれた自然豊富な環境にあるのに、きちんと整備されている。全てのスタッフがきちんと教育されている。食事は新鮮取れたての素材だけではなく、技術ハイレベルなフレンチが頂ける。ここはある意味別世界、九州が誇るべきバカンスの島。

| | トラックバック (0)

佐世保・大村湾、イルカを探してゴージャスクルージング

Aicon2007mi秋の行楽シリーズ、今日はクルーズのお話。暑い九州は、夏の終わりの秋の気配が感じる頃にクルージングするのが気持ちいい。今年はとくに残暑厳しく長い夏になったので、10月に入った今でもまだ行けるしちょうどいいくらい。

0710omura2

 福岡から近い絶好のクルージングスポットと言えば長崎は佐世保。大村湾から西海橋を下を通って近港を望みつつ巡る。コンパクトながら見所満載。針尾送信所の電波塔を目印に、渦潮に乗って揺れを楽しんだり、潮に逆流して遊んだりもできるのが湾入口の面白いところ。長崎空港や九十九島がよく見える秋晴れ、風も心地よい。

 あちこちでクルーザーのチャーターは出来るけど、一番楽で親切なのは何と言ってもハウステンボス。国内で10数隻という、スポーツタイプのイタリア製の高級サロンクルーザー「アジムット」(1時間あたり4万円でチャーターできる)。
 スタイリッシュでゴージャスな感じが好き。白いボディー、中はキャメル色の革ばりラウンドソファーの豪華リビングで、奥にはベッドルームもある。やっぱり2・3時間は借りきって、心地好い揺れの中シャンパンを飲みつつ、絶景スポットやイルカウォッチングを楽しむのがいいわ。

0710omura1

 ハウステンボス迎賓館からだと、クルージングの前後はクラシックカーで送迎してくれるし、2階部分でクルーザーの操縦と、わかり易い海の案内を完璧にこなすガイドが着いててくれるので安心。しかもクルーザーまでソムリエがシャンパンを運んでセットしてくれるし(見送りまで)、私達はシャンパン片手にのんびり過ごす事ができるの。

 去年はイルカが沢山見れたこの一帯も、今年は温暖化の影響で赤潮が発生し、イルカはあまり見ていないという。そんなわけで私達も残念ながらイルカには会えなかった。でも飛び跳ねる黄金に輝くアジや風に乗る鳥達、たくさんの渦潮、夕日が沈む島々・・海上ならではの美しい自然、素晴らしい自然を満喫できたわ。

| | トラックバック (0)

どうせなら「キリシタンな平戸」まで行っちゃおう!

0710hira1Aicon2007miついでなので、秋の行楽シリーズを続けますか。歴史に触れつつ、昔と変わらない海の絶景を見る為に、頑張って長崎・平戸まで行く!遠い!確かに遠いが、なかなか見れない、素朴でも「壮大な景色と歴史ロマン」は価値あり。

 カーナビに頼って九州自動車道優先で行くと、佐世保周りになってとんでもなく時間がかかる。だから、福岡都市高速経由で下を通り唐津周りで行くと2時間30分程度で行ける。どうせなら昨日書いた「唐津で寿司」を楽しみつつ行くと飽きないわ。

 まぁ慣れては来るけど、道中は本当に田舎すぎて狭い道路に不安にはなる(笑) それでも青い海と青いとの中にそびえる、真っ赤なつり橋の平戸大橋が見えて来ると、おぉ~って感動するわ。

 小さい町なので、あっと言う間に観光スポットを網羅する事ができる。お勧めは基本「平戸城」。松浦一族の資料がたんまりなので、それはサラッと流して天守閣最上階に行きましょ。
0710hira2 そこには広がる絶景。平戸をグルッと見渡し、海と空が青々と遠くまで見え、潮風が吹きつけトンビが風に乗り舞い上がっていく。何とも美しい、時代を超越した日本の景色。ここでやっと「来てよかったね~」と言えた(笑) 訪れるのに楽な場所ではない、それだけに時代に流されてない、タイムスリップしたような風景はただの田舎町ではなかったわ。

 天守閣降りてすぐのお土産屋さんで、何かしら色々思わず買ってしまったのは、景色のなせる業。平戸特産のあご(とびうお)ダシから作った醤油やポン酢。天皇に献上された平戸名物菓子のカスドース。平戸といえば福田酒造の「福鶴純米」と、5種類(米・麦・芋・じゃが芋・わかめ)の「呑みくらべ」など購入。
 そのまま平戸城降りてきてすぐの「平戸物産館」でも、長崎皿うどんやあごダシ、佐世保バーガーキティちゃんなど思わず買ってしまう。

0710hira3 気を取り直して観光名所巡り。海沿いに行くとオランダ公園にオランダ井戸、オランダ商館跡など、油断すると見過ごしてしまうこじんまりとした一角を過ぎ、情緒ある商店街の片隅に、吉田松陰が平戸を巡る際拠点にしたという、宿場跡碑などがある。
 山に向かって進んで行く。チェリ~の
鹿児島ザビエルに準じて「平戸教会」に行ってみる。通称は聖フランシスコ・ザビエル記念教会。小さい日本的教会、青い空にそびえる白い素朴な塔がかえって癒される。改めて、昔の人は色んな意味で根性あるなぁと実感。もっと奥まで行くと、印象的な赤い寺院や展望台などもあるわ。

 などなど小粒が盛りだくさんで、穴場の散策スポットな平戸。佐世保からは80分なので佐世保で遊んだ帰りに寄ってみるのもいいかも。是非、秋晴れの気持ちよい日にドライブして。

| | トラックバック (0)

静かにのんびりな唐津で「銀すし」

0710kara1Aicon2007mi秋は行楽のシーズンって事で唐津まで足を延ばす。福岡から唐津までは、高速通って1時間といったところかな。少しは秋らしくなってきたし、天気がいいと海沿いの景色も素敵なので、ドライブがてらにいい。

 ただでさえ唐津の中心部はとっても小さい、そこから更に離れた海近くの浜玉町浜崎という住宅街。人気がない、夜は真っ暗だと言うわ。そんな中いきなり綺麗に整備された大きな神社があるのでビックリする。

 250年以上の歴史を持ち、夏には山笠をひきまわす祗園社の祭がある立派な「諏訪神社」。諏訪姫とマムシ除けのお話も有名。本殿横の庭園にも色々関連した話が表現されている。
 奥には小さいながらもきちんとお社が整列して、商売や縁結び、学問の神様まで祀ってある。狭いながらも静かで、自然豊かな心地よい場所だったわ。

livarot.gif その奥にある小さな鳥居を出て大通り左にすぐ。そこには「つく田」と並んで唐津で江戸前を提供する「銀鮨」がある。鄙びた唐津・浜崎の町にひっそりと佇んでいる、夫婦二人で営む寿司屋だ。

0710kara2 創業昭和42年という町の寿司屋の2代目である。1年半前に改装された店内は余計なものは何一つなく、清潔感と開放感がある。席は6席のみ。
 週に何度かは福岡の市場まで買い出しにも出ているというが、ネタはさほど多くない。「つく田」もそうだがマグロがない(弱い)ので、どうしても江戸前寿司の華やかさには欠けるかな。

 鯛、ヤリイカには細かく包丁が入れられる。ネタを切るたびに布巾を几帳面に洗うなど清潔な感じがいい。ハガツオ。車海老はミソも一緒に海老のうまみが口の中に広がる。本日一番の握り。

 イサキ、シャコ。カマスは軽くあぶった風味がうまい。コハダ。ウニはこんもりと盛られ優しく形取られる。アナゴは背後の隠し棚の中で奥さんが焼き上げてくれる。トロリとしたツメとともに口の中で溶けるようだ。最後は締めのカッパ巻。

0710kara3 砂糖を使用せず、塩と赤酢米酢をブレンドしたシャリは、ほどよいうまみ。シャリを押さえる時に人差し指中指でポンポンと2回たたき、くるりくるりくるりと5~6回回転させながら優しく形取る独特の握り方。リズミカルに握られる。

 口の中ではらけるというよりも、柔らかいネタのうまみを口の中に押し広げるような味わい。後味の余韻も長い。固いネタは好きでないという大将の好みの味わいのバランスなのだろう。
 目の前のネタだけに集中して握られる(しかし客に威圧感を全く与えない)寿司は、今後が楽しみだ。

| | トラックバック (1)

« 2007年9月 | トップページ | 2007年11月 »