ジョルジュ・マルソーで、福岡の秋を味わう

京都では特に感じるが、食の真髄の一つに「季節感」がある。ここで言う季節感には、素材はもちろん、調理法、付け合わせ、ソース、さらに香りや温度、プレートの素材感も含まれる。
そこで福岡、更にフレンチでこの複合的な「季節感」をうまく表現しているといえば、「ジュルジュ・マルソー」になるだろう。和食からフレンチの世界に進んだ小西シェフらしく、繊細な火入れによる素材の旨みの引き出し方が抜群だ。
季節の野菜をふんだんに盛り込んだ前菜。ほのかな火の入れ具合による温かみを感じるこの前菜は「秋」を感じさせる。前菜なのにペルドローも織り交ぜているところが、サービス精神にあふれる小西シェフらしい。
肉は半畜の鴨に繊細に火を入れ、柔らかい塩の振り。ジューシーだが力強い鴨肉がおいしい。ジビエではなかったものの十分おいしく頂けた。
福岡ではジビエをおいしく食べられるフレンチレストランはほとんどなく悲しい。冬のフレンチの楽しみはジビエに始まりジビエに終わる。ぜひジョルジュ・マルソーでジビエを味わって欲しいものだ(事前に注文した方がいい)。
バターやクリームが強くなく「現代的軽さ」を表現しているので、フレンチを食べなれていない客にもおいしく頂ける。ただ、フレンチ好きの中にはやや物足りなく思う向きもあるかもしれない。ここは趣味が分かれるだろう。
秋から冬にかけてフレンチ「ジョルジュ・マルソー」で、「日本の四季」を味わって欲しい。なお、ワインリストの品揃えは「ひらまつ」などに比べると見劣りして残念だが、ソムリエの方にお勧めを聞くと美味しいワインに出会える可能性も高まる。
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