秋の夜長、ゆっくり個室でフレンチ ~レストラン花の木~

涼しい夜風が吹く日には、早めのファーを羽織ってお食事に。この日は景色の良い大濠公園にある「レストラン 花の木」。2階一番奥にある、あの「マリリン・モンローの個室」で、ゆっくりフレンチを楽しむわ。
「メニュー デクヴェール(13650円)」。Decouverte、つまり「発見」。一皿一皿にシェフのアイデアを盛り込んだ、新生「花の木」を象徴する驚きと楽しさ満載のコース料理を頂く事にする。
シャンパーニュは、秋の夜長を楽しむにふさわしい、新発売されたばかりの「ボランジェのロゼ」をチョイス。美しいピンク、やや甘いものの高貴な味わいは、ボランジェのまた違う側面を見たような感じだ。
「博多地鶏とフォアグラ・トリュフ・ポワローのテリーヌ」。ダミエ柄の美しいテリーヌに妻と思わずため息を漏らす。トリュフの香りがフワァとテーブルを包んだ。点在するカプチーノソースにも軽くトリュフ風味。地鶏の淡白な味わい、フォワグラのしっとりとした脂身、そして何よりもポワローネギの独特の甘みが全体をまとめ上げ渾然一体となるおいしさを引き出している。見た目、味わい的にも完璧な前菜だった。
「再構築したスープ・ド・ポワソン」。大好きなスープ・ド・ポワソンだが、そのまま出ないところがさすが寺田シェフ。
スープ・ド・ポワソンの下には口当たりの良いフラン、その上にモンサンミッシェルのムール貝、そしてサフランとガーリックバターを泡立て、見た目にも美しく再構築されている。こういう現代的フレンチは九州ではなかなかお目にかかれない。
「鱸のポワレ」。綺麗に火入れされた鱸の下にはウイキョウのピューレ、その周りにトマトのソース。トマト本来の自然な甘みと酸味のソースは、ペルノーでほんのかすかに、しかし微妙なタッチで風味付けされており旨みが増幅されている。皿からすくうように綺麗に平らげてしまった。
「鴨肉のステーキ仕立て」。鴨肉はソテーした後にグリエされており歯応えを楽しむ趣向だ。赤ワインのソースには、葡萄ジュースのエッセンスが加えられている。ネズノミなどスパイシーな香り付けもアクセント。
DRCの「ロマネ・サンヴィバン1994年」と合わせて頂いた。約10年前に黒木ソムリエが購入し、花の木のワインセラーで10年の熟成を経たロマネ・サンヴィバンは、熟成したレンガ色、スパイシーでエレガントな香りにただただ脱帽だ。口に含むとスーッとどこまでも伸びるように繊細な余韻が広がり、鴨肉のスパイシーな香りとベストマッチだった。
仕上げのデザートも「再構築したモンブラン」。秋にはやっぱり欠かせない栗系デザート。美しく層になっていて、残しておいたピンクシャンパンと合わせるとまさにアートだわ。見た目より口当たりがアッサリとしていたので、食後酒との相性も良かった。
前菜からデザートまでとても完成度の高いコースだった。今年頂いたフレンチの中で文句なしにベスト3に入ってくる満足度。
素晴らしい保存状態のワイン、エレガントで的確な黒木ソムリエの接客、そして現代フレンチの完成された寺田シェフのコースと、3拍子揃ったフレンチディナーを堪能した一晩だった。
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