「エノテーカ・ピンキオーリ」フィレンツェ本店(2)

さて前回に続き、「エノテーカ・ピンキオーリ・フィレンツェ」の話。
吉村ソムリエの案内で地下に足を踏み込むと、ひんやりとした冷気と湿気。そしていい匂いのカビ。まさに「ああ、ワインが嬉しいだろうなぁ・・」という空気が広がる。
そしてまず目に飛び込んでくるのは、大量に積み上げられたペトリュスなど吟醸ワインの木箱の山々!それが永遠に続くかのように奥まで見える。ワイン好きには垂涎の景色だ。
さらに進むと迷路のような道が次々と現れてくる。一つ一つのボトルにワイン名、年代を書いた札が丁寧に付けられているのはさすが。縮小したワインラベルを貼りつけたボトルもあり、とても綺麗で分かりやすい。数え切れない本数の、ワイン全てに分かりやすく目印を付ける、その途方もない努力に感嘆する。
そして様々なストーリーを持ったワイン。例えば、ロマネコンティのNO,1。ロマネコンティが誕生した、最初の、その1本!世界に何本存在するか分からず非売品とのことだ。1800年代のムートンに絵柄が書かれる前のボトル、1920年代のペトリュスなどなど・・まさに博物館。
「エノテーカ・ピンキオーリ・フィレンツェ」の地下セラーは、ワインが幸せに生活し、ボトルが開けられるその日を待っている城、そんな雰囲気の素晴らしいセラーだった。
さてさて料理に戻ろう。10種類近くが出てくるデギュスタシオンメニューを注文した。そのプレートはカラフルで絵画のようにデザインされている。フランスとは違ったイタリアらしいビビットでポップな色彩。
楽しい趣向だったのは、スモーク塩やハワイ塩など7種類の珍しい塩と、本場のスペシャルな3種類のオリーブオイルの中から組み合わせてチョイスし、その場で温めたパンに乗せて頂く物。
例えばリコッタチーズを包んだタリアテッレは見た目にも美しい一皿。濃厚なんだが、まぶされたモッツァレラチーズが優しさを、ケイパーが酸味を表現しており、バランスよい仕上がり。赤ワインとのマリアージュが素晴らしい。
デザートは、チョコのねずみがアイスの迷路を通って、チーズに辿り着くという可愛いプレート。アートにあふれたフィレンツェならではの楽しさだ。
東京のエノテーカ・ピンキオーリは、どちらかというとインパクトの少ない控えめな味わいの印象だったが、ここフィレンツェ本店は「素材の濃厚なインパクト」。味付け(塩・オリーブ)もこってりだが、素材自体の強さも特徴だ。単純なイタリアンでもないが、フレンチでもない。しかしフランスワインとは抜群のハーモニーを奏でる。イタリアワインよりフランスワインが好きだというオーナーの思いが表現されているプレートだった。
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