山口は「萩城」と「萩焼」で400年の歴史を思ふ

山口は毛利藩・萩城跡、梅や桜が美しい春にも少しふれたけど、新緑美しい初夏を思わせる陽気のこの時期にも、是非行きたい癒しのスポットよ。
指月山のふもとに壕と石垣を残した旧本丸跡は、今もかつてを彷彿させる雄大さでそこに堂々と存在するわ。萩一帯を見下ろせる各名所のどこからでも、その指月山はぽっかり浮かんで見えて、まさに萩のシンボル。これからの季節は、白砂と空や海の青のコントラストが美しい「菊ヶ浜海岸」からの眺めも素晴らしいの。
そんな指月山を含めた20万m2という広大な「指月公園」、季節の花々が咲き誇る市民の憩いの場になっていて、今週末には「夏みかん祭り」があるわ。奥には歴代毛利藩主を祭る志都岐山神社、最も高台に天守閣跡などもある。美しい藩主庭園の東園、維新の密談に使われた花江茶亭には、先日のGWにはお茶会などのイベントが催されていたわ。
そうそう、そのGWの萩イベントと言えば「萩往還マラソン」と「萩焼まつり」ね。例の高速道路1000円の影響で、静かな萩でもさすがにGW期間中は人が多く道も混んだよう。
春に萩を訪れた際には、萩城前にあるツウ好みの萩焼店で一目ぼれの「岡田裕」作、藍場川沿いの若手作家の「三輪休雪」風器などを見つけて楽しんだ。そして今回は春の新作窯開けを目的にやって来たわ。
ちなみに「萩焼」とは、毛利藩が朝鮮出兵時に職人を連れて帰国、藩御用窯を作らせた事が始まり。1100℃という低温焼きなので柔らかくデリケートで、使い込むと色が変化して行く事から「七化け」が醍醐味というわ。そうは言っても、割れやすく見た目より繊細なさわり心地は、高価な作家物は当然ながら使うのを躊躇する。わかっちゃいるけど、色々見ていくうちにそんな使い辛い物ばかり欲しくなるという状態。宝石と同じようなものね。
やっぱり土が命、窯は山の斜面に建てた「登り窯」が理想。携帯の電波も届かない緑深き山中、いきなり現れる窯元・・風情あって素晴らしい。
GWも終わり、いきなり閑散となった新山口から萩までの道のり、出来立てホヤホヤの作家物に期待を膨らませ、お邪魔させて頂いた窯は川上惣の瀬にある「蓮光山」工房。大御所「守繁栄徹」と言えば、茶道の世界を中心にお解かりも多いのではないかしら。
栄徹氏は80代のご高齢で、今は次代「守繁徹」氏が仕切っている。私達は優しい徹氏に甘えて遊ばせてもらっている訳。
春は船津のお店で、徹氏が作る最後の「珈琲器ペア」などを購入、しかしやはり貴重で使えていない(笑) そして今回、恒例「春の登り窯出し」で、3つ並ぶ窯のうち、私達の為に1つの窯を開けて下さる事になった!まだ暖かい窯の扉をザクザクと削って彫って、封を開ける作業を間近で拝見する。
熱気がこもる開けたばかりの窯の中に入らせてもらう。ピン!ピン!・・・窯の中でガラスが弾けるような澄んだ音がする。冷たい空気が窯に入った時になる、これが「貫入」の音。この美しい音色をわざわざ聞く為に、音楽家や詩人も訪れたというわ。
まだ熱い位の出来立て新作を手にとらせて頂く。萩焼の特徴でもある高台がまだ付いた状態で、まさかの「栄徹作」の5足をポキポキ取っていく作業に緊張する。これって150万はするんだもの~(笑)
窯出しして一息つこうと、窯のお隣にある贅沢な茶室へお呼ばれ。自然の中の心地よい静寂の中佇む茶室。床の間には栄徹作の超高価な井戸茶碗や花瓶。入れていただく茶碗も言わずもがな・・・贅沢。
出来立ての「徹作」水差しや茶碗などの購入し、有意義な窯元遊びを満喫して終えた。秋の窯出しの時期は、さぞ紅葉が素晴らしいだろうと思いながら山を降り、街中心部にある宿泊先の「常茂恵」に向かう。迎賓館として80年前に作られたこの名宿は、天皇がお泊りになった貴賓室「花王」がある。次回はここをご紹介するわ。
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