
「マンダリンオリエンタル東京」にチェックインし、シャンパーニュで一息ついたところで、恵比寿ガーデンプレイス内の「ジョエル・ロブション(Joel Robuchon)」に向かう。
いわゆるこのお城建築、1階はカジュアルな「ラ ターブル ドゥ ジョエル・ロブション」で、2階が度々訪れるお気に入りの「ガストロノミー ジョエル・ロブション」。ロブション氏が世界で展開するレストランの中で最高峰ブランドにあたる。ちなみに3階は個室・サロンだ。
以前にも話したが、同じお城でもタイユバン・ロブション時は、いかにもフランスらしい重厚で風格あるインテリアと内装だったが、ジョエル・ロブションになって一気に軽い雰囲気になり、妻も「ドレスで行くという感じではないわ」と最初はさすがに戸惑った。
しかしそれから数年、色々試行錯誤もあったろう、時代的にもこういった今時のゴージャス感(フロア全体が金色とクリスタル)も馴染み、多少カジュアルな装いの客も増えたが、料理の斬新さ(プレート演出)とのバランスも相まっていい感じになった。
早めの予約時間だったが既に数組の先客。20時からスタートするフランスのレストランに比べると、いかにもせっかちな日本らしい。
ディナーは、22,500円と36,000円(サービス料12%別)のコース。日本語が堪能でジョークが得意のフランス人マネージャーは、各テーブル毎に客の様子を見ながら、どちらのコースでも満足できるよう微妙に会話を交え説明している。
36,000円のコースで、メインの肉だけピジョンに代えて欲しいとお願いすると、即答で「はい、大丈夫です。シェフと相談してお出しします」との事。楽しみだ。
そして、まずは乾杯。初夏の陽気ということもあり爽やかにブランドブランでいこうと、妻が好きなテタンジェの「コント・ド・シャンパーニュ(Comtes de champagne)」をチョイス。
まず運ばれてきたアミューズは、赤いクリアプレートが印象的な「オシェトラキャビア」。一見、ジョエル・ロブション特製とは言えキャビア缶そのままか?!みたいな感じだが、実はキャビアの下に、クリーミーな根室産毛ガニが詰められている。
豪勢でありながら毛ガニの甘みとキャビアの塩気が調和しており、素材の旨みを引き出している。ブランドブランの硬質なミネラルに包まれたシャルドネの旨みとにぴったりだ。これでアミューズというから言葉が出ない。
続いて、ウニの3種類の調理方法で味わう、いわゆる「デクリネゾン」の前菜。微かに香るコーヒーのピューレと頂くもの、マリネしてキュウリと大根のロールにのせられたもの、そして桜エビのフランとともに味わうものの3種類(3変化)だ。
様々な風味が混じり合うため何とも言えない。ただプレートにもウニの写真が添えられているなど、相変わらずの遊び心は楽しく、前菜としては及第点。
「ほうれん草のラビオリ」にはマイタケが添えられている。ネットリした卵黄の風味が広がるラビオリは、いかにもフレンチという重厚さだが少量なので負担なく頂ける。
続いて、今度は「甲殻類のデクリネゾン(3変化)」。いかにも日本の懐石料理をイメージしたしつらえだ。ラディノワールとショウガの香り立つブイヨンは、まさに「お吸い物」。
そして手長エビのカダイフ揚げは、「天ぷら」のイメージだがグリーンカレーのソースが添えられており、味わいはアジアンエスニック調だ。ズッキーニとズワイ蟹の一品も香辛料がまとわれている。
これまたどれも味わいは複合方程式なので、評価が分かれる所だろう。
ハーブソースで頂く「ポワレされたミル貝」、濃厚でフレンチ好きにはたまらない「ゴルゴンゾーラピカンテのロワイヤル仕立て」と続く。インテリアに合わせた華やかな器も楽しい。
更に続くは、爽夏らしい美しさの「新グリンピースのスープ」。優しいミルクベースに、長時間低温でスモークしたコクある風味のベーコンと、爽やかに香るフレッシュミントが夏らしい。「横のグリンピースは食べてもいいですけど、飾りですよぉ」と、仏人支配人のお決まりジョークも楽しい。
ロブションお得意の「真空低温調理法」、東京料理サミットでも話題になったまさにこれ。ハーブオイルで「低温コンフィされたホウボウ」。しかし興味を惹いたのは、上に美しくコーティングされたトマトのフィルム。ペルノーの香るソースサフランで頂く。
そして次は、特別にお願いした「ブレス産のピジョン」だ。今回はどの赤ワインを頂こうか・・・(後半に続く)