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京都「俵屋旅館」で祇園祭を楽しむ

0907tawara1livarot.gif京都の夏と言えば、日本三大祭りの一つである「京都祇園祭」。最も華やかな17日の「山鉾巡行」中心に、全国から20数万人もの観光客が京都に訪れる。さすがに人出が多く車も混んでいる。それでも例年よりは数万人も少ないそうだ。

 喧噪を横目におなじみの「俵屋旅館」に向かう。玄関横に車が到着するとサッと男衆が出てくる。
 打ち水が涼しげな玄関、フロントには「祇園会山鉾図」、入って「洛中洛外図屏風」。その他にも坪庭横、階段の上や下などなど・・その月の「しつらえ」がほどこされている。
 今月は、様々な行事が執り行われる京都を表現すると共に、暑い夏に涼しげな趣向を凝らしたという。

 一階突き当たり、蹲(つくばい)のある緑豊かな専用の露地。中庭に角が突き出るようにガラス張りの居間があり、季節行事なども催される、いわゆる特別室扱いの「いつもの部屋」に通される。京都ではもうここが我が家のような空間だ。3年前にリフォームした書斎やベッドルームももう馴染んでいる。
0907tawara2 縄文時代や室町時代の置物がそっとあったり、カルテェの時計やバング&オルフセンの電話があったりと、新旧全てが溶け込んだ、これこそが俵屋のさりげない心地よさ。リネン関連は全て、こだわりの俵屋オリジナルなのは良く知られている(
ギャラリー遊形で購入もできる)。
 漆一枚板の卓は電動で上下し、襖には薄型テレビや冷蔵庫が見えない様に存在する。ここは、完璧なる「和」の中に最新技術が完璧に仕組まれているという、現代の日本建築(京都らしい京都)の理想がある。

 各部屋の床の間にも毎月のしつらえがされており、「今回はどんなものだろう」と一つの楽しみになっている。「いつもの部屋」の文月の掛け軸は江戸初期の「祇園会図」だった。華やかなタッチで昔の祇園祭の様子が描かれていて、部屋の中が何となく華やいで見える。掛け軸などで季節を表現し、部屋の気分を変えられるところも日本古来の良さだろう。

 「いつものお部屋係り」さんが笑顔で、宿泊客限定のわらびもち(今では「遊形サロン・ド・テ」でも頂ける)とお茶を持ってきて下さる。再会を喜びつつのさりげない会話がまた楽しい。京都に来て一番ほっとする瞬間だ。
 静けさが心地よい部屋の中で、風音や雨音に耳をそば立てながらわらびもちを頂いていると、中庭にいつもの鳥が挨拶するようにどこからともなくやってきた。
文月・先附 ガラス越しに専用の露地をのぞむ高野檜の風呂には、既に適温のお湯が満たされている。ゆっくりと身を横たえながら「あぁ、また戻って来れた・・」と贅沢な時間を過ごした。

 来るたびに何かが変わり、どこかに手が入れられている。うっかりすると気付かない程のさりげない変化。しかしそこには「真のホスピタリティ」を変わらず提供する為に、進化し続ける俵屋の真骨頂が窺われる。

 さぁ、お待ちかね・・夕食の時間だ。つづく

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