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京都・相国寺「承天閣美術館」、パリからの帰国

0907shokoku1livarot.gif足利義満が創建した「相国寺」は京都御所の近くに大きな敷地で、さすが京都五山第二位の貫禄ある存在感を醸し出す。金閣寺・銀閣寺をはじめとし、百程の末寺を擁する大本山のこの寺、いわゆる現代の日本仏教総元締めといった感じか。

 今回のお目当は相国寺内にある「承天閣美術館」。相国寺と金閣・銀閣両寺の文化財を収蔵展示するという何とも豪華な施設だ。一見正統派のお寺の風情、しかし中は最新設備の整ったコンクリートとガラスが美しいモダン建築になっている。靴を脱いで上がる事が不思議に思えるくらい、美しい近代的な美術館だ。
 この日開催されていたのは、「金閣 銀閣 名宝展 ~パリからの帰国~」。去年末パリ「プチパレ美術館」で開催され4万人を集めたという。ちょうどその期間、私達もパリに行っていたが、あちらでは3Dのバーチャル金閣・銀閣が話題になっていた。

 相国寺開山の高僧・夢窓疎石の肖像画や伊藤若冲の「釈迦三尊像」はさすがの華やかさ。やはり相国寺といえば周文が育てた雪舟の水墨画も見逃せないが、今回は展示の仕方もあって4mもある円山応挙の「大瀑布図」が素晴らしかった。妻は、金閣寺の頂上に飾っていた「鳳凰」が気に入ったらしくしばらく離れずにいた。
0907shokoku2 細かいところで言うと、最近茶碗が気になるせいもあるが、利休が使っていた「瀬戸黒茶碗」は黒光りし武骨で厚みのあるその形が、利休の内面を図らずも表してしまったかのような感じで気に入った。貴重な野々村仁清の器も3点程ある。
 足利義政の「和歌巻子百首」は、彼の落ち着いた精神の現れたように柔らかく繊細で素直な字が印象的だった。

 照明を落としほのかにお香がかおる静謐な館内に浮き上がる歴史的美術の数々。誰もが心穏やかな時間を過ごすことができるだろう。降りしきる小雨の中、車で寺を出ようとするとき、小さな横道の奥にひっそりとたたずむ、「蛤御門の変」で戦死した長州藩士の墓所を通り過ぎた。京都はさりげなくも多くを語る歴史深い町だ。

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