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宇治・平等院、夢浮橋の如く源氏を偲ぶ

0908ujibdi1millefeuille.gif明日16日は「大文字焼き」、つまり「五山の送り火」。京都のお盆といえばやはりこの大イベントを思い出すわ。7月の祇園祭に続きこの五山目当てに、沢山の人がまた京都に集まる。
 それで今回、大文字ついでの京都観光にお勧めしたいのは、京都市内から車で数十分の京都南郊の宇治。人混みを避け少し遠出し、平安源氏の別荘地へ行くのもまた一考よ。

 源氏物語「宇治十帖」の舞台である宇治川一帯は、今でも自然多くなだらかな山並みがその昔の風流を思わせる。お目当ては、光源氏のモデル(源融)の別荘だった「平等院」。平安貴族が建立したその建物、仏像や壁画、庭園も含めて、今では貴重な世界遺産ね。
 もちろん羽根を広げた様な「鳳凰堂」もさすがの見応えだけど、私のお気に入りは2001年にできた「平等院ミュージアム鳳翔館」。建築家・栗生明の美しいこの作品は日本芸術院賞を受賞している。入口アプローチの杉板型枠コンクリート打放しから、斜光が美しいガラスの使い方、照明配置など最も私好みの造り。涼しい中でゆっくり美術を堪能できるわ。

 この日は、源頼政830回忌記念展「無常という伝説」が催されていた。・・あれ?頼政といえば平家に宇治川の合戦で敗れた人よね。まさに先日の「宮島・厳島神社」続編な気分。平等院内の頼政が自害したその場所に立っている不思議。
 つまり、前回の厳島神社でお話した平家物語「厳島御幸」後、平家追討に挙兵した以仁王と頼政はこの平等院で敗死、早期鎮圧された訳だが、これがきっかけとなり反平氏勢力が動乱を始め、いわゆる源平合戦になって行くのだから・・何だか歴史をリアルに見るような感覚になる。

0908ujibdi2 という訳で早速「鳳翔館」に向かうわ。入口入ってすぐは、平等院復元や庭園の発掘、鳳凰堂内装飾などをCG化した映像と音声が10分程流れる。この場所には2mもある国宝の梵鐘も鎮座する。
 奥の部屋に入っていくと、日本最古の大和絵風九品来迎図ほか、鳳凰堂扉絵・厨子扉絵などが迫力の大きさでそこにある。いわゆる時代を象徴する宗教画だが、どこの国でも時代と文化を顕す宗教画は見事なものだわ。日本人独特の優美な輝きを誇りに思う雅な作品ばかり。

 ライトアップされて目立つのは、一万円札にもなっている阿弥陀堂(鳳凰堂)両脇に立っていた「金銅の鳳凰」。金閣寺のよりシャープなイメージね。他にも美しい仏像や貴重な紙本墨書が多数あり、色々と目を惹いて時間が足りなく思う・・さすがは国宝揃い。
 展示スペースを移動しつつ、一番印象的なのは「雲中供養菩薩像」の部屋。暗中に浮かび上がる雲に乗った菩薩達、幻想的で素敵な空間。本来これは、鳳凰堂の阿弥陀仏の背後、白壁に架けられている物なんだけど、正直あそこで見るよりこの「鳳翔館」で見る方がはるかに綺麗。細かい彫刻や菩薩の表情はずっと見ていても飽きないわ。

 そして特別企画の「源頼政830回忌記念展」。頼政念持仏とされた阿弥陀如来像、頼政所用兜や弓矢、色んな頼政画像など貴重なゆかりの品々多数。家系図なども今更ながら楽しく、源氏の物を一同に集めたその空間はワクワクできるものだったわ。
 個人的には、源平それぞれの風雅を感じる不思議な夏の旅となった。

0908ujitokiti_2 さて、平等院を満喫し更に周辺の宇治上神社などに向かう・・・・と、その前に一息つきたい。宇治と言えば高級茶の産地、ここにはチェリーちゃんお勧めの「中村藤吉」があるわ。
 平等院近くにも店舗があるけど、やっぱり昔ながらの佇まいの本店がお勧め。暖簾をくぐると右手には持ち帰り用店舗。その先には緑豊かな広い庭、石畳を歩いた奥に風情ある民家調のカフェがある。庭を望むテラススペースもあり、歴史の中にも計算されたモダンさを持つ中村藤吉本店。
 メニューは豊富で、麺類などの軽食からパフェなどのスイーツまで色々。私達は「月曜日限定・わらび餅」や「抹茶ソフトクリーム」、濃茶「宇治の昔」など本店ならではの甘味を頂くとする。さすが本場、苦味とざらつきのあるお抹茶が大人のスイーツといった感じ。

 「源氏物語」の里というだけでなく、郊外らしい散策場所もあちこちあって、年齢問わず楽しめる宇治。京都市からそんなに遠くは感じないので、気軽に足を延ばしてみる事をお勧めするわ。

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