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サーラ・カリーナ、爽やかイタリアンで夏を儚む

0908sala1millefeuille.gif静かな御所ヶ谷の住宅街、坂道沿いに静かに佇む「サーラ・カリーナ(Sala Carina)」。入り口正面にはタイル柄のピザ釜がそびえ、廊下を進むと緑にすっぽり包まれたような円形のダイニング。明るいオープンキッチンは横長くなだらかなで、スタッフがテキパキ動く様が良く見える。その横には個室もある。
 山である斜傾と自然の豊かさをいかし、内装も木のぬくもりにこだわったこの建物は、エコ環境に定評がある建築家・
白川直行の作品。ダイニングの真ん中で、夕暮れが照らす緑に囲まれながら、早い時間からシャンパンを頂くのがいいわ。

livarot.gif木漏れ日に輝くイメージ、まずは「ルイロデレール・クリスタル」で乾杯する。京都の「リスタ・ジョルジオ・ピンキオーリ」もそうだったが、一定レベル以上のイタリアンレストランには、フランスワインもある程度揃えてある。

 定番の「冷製のカッペリーニ キャビア添えとともに」。カッペリーニはやや緩い感じがいつも気になるが、まぁ涼しげで夏にはピッタリの前菜だろう。
0908sala4 続いてカラフルな「前菜盛り合わせ」。赤ピーマンのムースは、柔らかい甘味とほのかな苦味・酸味がさりげなく調和している。東京三田「
コート・ドール」の赤ピーマンのムースが一瞬思い浮かぶ完成度だった。甘酸っぱさも心地よいほおずき、柔らかく海のエキスを凝縮した鮑、ほくほくと存在感のあるハマグリ・・・定番の前菜は、時としてマンネリ感と紙一重でもあるが、本日はとても味わいがいがあった。

 「タリオリーニ」にはウンブリア産のポルチーニ茸、トリュフをまとって頂く。福岡ではなかなか満足いくパスタに出会えないが、今日のこちらのパスタは、歯応え・噛み締めたときの風味・香りの余韻と三拍子そろって素晴らしかった。粉をローストする手間をかけたものという。
 赤ワインは、原田氏の勧めてくれた「チェレットのバローロ1986年」のブリッコロッケ・ブルナーテ。20年を経て申し分のない熟成感だが、一方でふくよかな上品さ・アルコール分の力強さも残っていて、本日のタリオリーニにしっくり来た。

 「ヒラスズキのポワレ」は、アサリのボンゴレ風味。ふっくらと火が入れられたヒラスズキの白を中心にトマトの赤、オリーブの黒、アサリの黄と絵画のように彩られたプレートだ。
0908sala3 「前沢牛」はとても上質な脂身をやわらかく和風に仕上げている。ゆっくりと開いて熟成感が全面に出てきたチェレットのバローロとちょうど良いハーモニーを奏でてくれた。

 気が付くと、年配の夫婦・家族連れなどで賑わう満席の「サーラカリーナ」。今井正三シェフのイタリアンは、柔らかい味わい、素材同士のバランス感覚、そして許容範囲の広い安定した着地点が特徴だろう。
 特に猛暑の続くこの時期にぴったりの、身体に優しいイタリアンだ。塩気やソースの輪郭がはっきりした味わいではない為年配向きとも言えるが、若い人達にもこういうレストランを上手に使いこなしてほしいと思う。

 既に日もすっかり暮れて大きな窓の外は真っ暗だが、静かにライトアップされた庭もまた海の如く雰囲気がある。真夏の厳しい外界と隔絶されたさわやかな空間・上品な味わいを堪能し、夜風に夏の折り返しを感じつつ店をあとにした。

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