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ペトリュスと味わう「バロンオークラ・ワインダイニング」

0910baron1livarot.gif今福岡で、洗練されたモダンフレンチが堪能できるレストランの一つ、ホテル オークラ 福岡の「バロン オークラ ワインダイニング」。2009年秋のメニューを楽しむ事にする。落ち着いたサービスに大人の空間が、ゆったりとした気持ちにさせてくれる。ホテルの強みを効果的に発揮しているレストランでもある。

 「フランス地方料理とワイン」のコースが、今回はボルドーを取り上げている。
 いつもは野原敦料理長のスペシャリテであるガストロノミック(Menu Gastronomlque)を頂くのだが(初めて訪問する人やフレンチ好きにはぜひこのメニューをお勧めする)、FFCCフランス料理コンクール準優勝とメドック賞を受賞した「野原敦料理長がボルドーを!」ということで、今回はこちらをチョイスしてみた。

 「フォアグラのポワレと根菜のポトフ」、「舌平目のムース詰めグラタン風」、「和牛ロース肉のボルドレーズ」など工夫されたプレートがテンポよく出される。
 ただ過去(
1月5月)ほどの迫力と洗練さが感じられなかったのはコースが違うからだろうか。そういえばつい先週、「レストランひらまつ」平松宏之シェフが、広尾店のシェフとともに来福し、福岡店の水元シェフと繰り出す、気合の入ったスペシャルなディナーを食べたばかり。舌というのは美味しいものを食べると果てしなく要求が高くなる厄介なものだ。

 そうだ、ここはワインダイニング、数は多くないものの選りすぐりのワインを頂くことができる。今宵は、ワインリストの中で一際目に付いた「ペトリュス 1976年」を楽しむことにした。
 1970年代ということでレンガ色かと思いきやまだまだ十分に赤みがかった色調。最初の一口は美しい貴公子の様なかたくなさ。デキャンタージュしてゆっくり頂くうちに開いてくる。

0910baron2 「柔らかいという日本語よりもSoftという表現がまさに合いますね」と久保田徹ソムリエ。メルローらしいふくよかな果実実が、何の迷いなく素直に綺麗に溶け込んでおり、すべらかな味わいと喉越しに収斂していく。
 「平日なのにちょっと贅沢すぎないかしら・・」と叱めっ面だった妻も、いつの間にか満面の笑顔で楽しんでいる模様。
 フィレンツェの「
エノテーカ・ピンキオーリ本店」で頂いたペトリュス1990年は、果実味がぎゅっと凝縮されボリューム感にあふれた力強さに、森の中を漂うような土っぽい香りという「力強いバランス」が特徴的だった。それに対して30余年を経たペトリュスは、「すべらかなバランス」が特徴だろう。

 「これにあわせて何か追加を」と頼むと、野原シェフ・久保田ソムリエが相談して、「鴨のグリエと季節の野菜」を合わせてくれる。シンプルだがバターも濃厚に絡ませ、肉厚のある鴨をトリュフの香りをまとわせながら噛み締める楽しさとペトリュスのハーモニーを堪能させて頂いた。
 1時間弱の間、めまぐるしく変化する様を追いかけ、久保田ソムリエとワイン談義を楽しむうちに、そのペトリュスをあっという間に飲み干してしまった。
 次の季節はまた、料理長のスペシャリテ・ガストロノミックとワインのハーモニーを楽しみに訪問することにしよう。

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