« 福岡「い津み」VS 大分「山田屋」、ふぐが美味しい季節 | トップページ | ダチの「セルジュ」と「ニコラ」ですが何か? »

西麻布「真」で、クリスマスシーズン息抜き寿司

livarot.gif街はイルミネーションで照らされ、クリスマスシーズンらしい華やかな行事も目白押し。それに比例しフレンチやワインがどうしても連日続くと、時々美味しい寿司をサラッと食べたくなる。そんなある昼に向かったのは、六本木ヒルズから西麻布交差点を左折してすぐの、雑居ビル3階にある鮨「真(しん)」だ。

 ビル入口の控えめな案内が目印。店内は広くはないが小綺麗で優しい色合い。カウンターは8名も座れば満席だがややカーブを描いたL字型であるため、客同士の視線が微妙に合わない。カウンター自体は重厚感はなく軽いが、その計算された設計が鮨に集中するには良い。
 西麻布という場所柄もあり、客層は食好きらしい落ち着いた大人が中心だった(目前の鮨を放置しておしゃべりに熱中するマダム軍団もいたが)。

0912sin お浸しはきっちりダシを効かせているが柔らかい味わい。L字型カウンター左奥に一目をひく大きなお櫃。そこから手前の小さなお櫃に移して握られていく。
 若くて男前な大将は、一見の客にも名前を呼んで挨拶するように心がけているようだ。若手4、5名もテキパキと作業をこなしてとても気持ちがいい。

 さらりとお決まりを頂くことにする。鯛からスタートして、さば・赤身付け・たこ・赤貝・とろ・車えび・ホタテ・ウニ軍艦・穴子と進んで、玉子でしめる。軽く締められた鯖は薄い昆布をのせて握られる。赤酢がほのかに色付く強い味わいのシャリと抜群の相性。タコ・赤貝は丁寧に包丁を目の前で入れていき、口の中でふっくらとしている。特に赤貝は海の香りがフワッっと鼻の奥に広がった。
 トロもねっとりとシャリと一緒に口の中に吸い付くよう。下味をつけてほんのり色が付いたホタテは、擂りおろした柚を振るなど細かい仕事も目をひく。最後に追加したコハダは大きめに切られ、口の中で噛み締めるとじんわりと旨味に溢れた酢がゆっくり広がり、かすかに暖かい色気あるシャリと渾然一体となった。

 大将若手もピリッと真剣に仕事をこなしているが、客に不必要な緊張感は意識的に与えないように意を配っていた(「俺の仕事はこうなんだから、分からねえ奴はくるな」的な一昔前の寿司屋に典型な開き直りとは対極である)。お茶は三分の一位飲むとすぐ熱々が注き足される。一貫食べ終わる毎に台をサッと取り上げ綺麗に拭きあげ、次の握りに準備する。そんな様々な心遣いを自然に行うところも、東京ミシュランで3年連続一つ星と評価されている所以かもしれない。
 握り一つ一つはよく練られているが、「大河のような骨太の流れ」、「全体として迫ってくる完成度」には至らず、単発・単発の勝負になっている感じはする。が、また麻布辺りに来たら寄りたい良いお店だった。

|

« 福岡「い津み」VS 大分「山田屋」、ふぐが美味しい季節 | トップページ | ダチの「セルジュ」と「ニコラ」ですが何か? »

グルメ・クッキング」カテゴリの記事

寿司・鮨」カテゴリの記事

旅行・地域」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

東京グルメ」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/115230/47021551

この記事へのトラックバック一覧です: 西麻布「真」で、クリスマスシーズン息抜き寿司:

« 福岡「い津み」VS 大分「山田屋」、ふぐが美味しい季節 | トップページ | ダチの「セルジュ」と「ニコラ」ですが何か? »