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寿司の食べ納めは「すきやばし次郎」で

livarot.gifクリスマスも無事終わり一変して年末年始一色となる前に、またサラッと江戸前鮨で息抜きをする事にした。この日訪れたのは六本木にある「すきやばし次郎」。何かと今年も話題になった六本木ヒルズのレジデンスB棟3階。「レスプリ・ミタニ(L'esprit MITANI)」や蕎麦の「竹やぶ」の並びにある。2003年に小野二郎氏の次男・小野隆士氏が開業。複数の若手職人もテキパキと働いている。カウンターのこじんまり感が何となく居心地良い。

0912jiro 噛み応えのある平目からスタート。シャリと混じりながら透明な旨みが広がっていく。「やはり次郎のネタは別格」だなと気が引き寄せられる瞬間だ。
 スミイカは逆にネットリとした旨みが広がった。サヨリもびっくりする位厚みがあり食べ応えがある。可憐な歯応え、控えめな甘味、最後にまとわりつく旨みとサヨリの持つポテンシャルをとても分かり易く表現していた。
 大間の赤身と中とろはまずまず。今年のマグロ漁獲量は少なくないものの、なかなか良いものが少ないという。コハダはジュワッと染み出す酢がシャリと混じり合った。「すきやばし次郎」本店のコハダの「あのインパクト」程ではないものの、相変わらず素晴らしい。

 そして「次郎」と言えばお待ちかねの車海老。人肌で二つに切られたミソ入りの大振りの身を口に頬張ると、甲殻類の香りが鼻の奥に抜けていった。
 人肌の佐島の蛸には塩が乗せられている。「他店より入念に仕込んでますから、繊維質がほぐれて柔らかいんです」という。なるほど・・柔らかい身質を噛み締めると、これまた甲殻類のニュアンスを強く感じる。
  鯵。そして北海道のウニは軍艦で頂く。そして鯖。鯖はもうちょっと迫力が欲しいところ。軍艦で頂く生イクラはクリーミーで溶けていく甘さが他店にはない味わいだ。穴子は江戸前らしく柔らかい仕上げだが、ただ柔らかいだけではない。煮きりも江戸前のあの辛さの少し手前のおいしさ。シャリの中に染み渡っていく塩梅が素晴らしかった。

 東京ミシュラン一つ星の効果か、ガイド本を抱えた欧米人が入ってきた。常連らしい一行とのやりとりも狭い店の雰囲気を和やかにしている。銀座本店とはちょっと違う雰囲気も悪くなかった。
 ただシャリはややねっとりしていてはらけ具合は軽やかではなく、ネタの存在感のほうが印象に残ってしまう。「握りの完成度」からすると少々ぎこちない。それに昼のお任せ握りで1万7000円は他店の1,5倍から2倍。これだけの値段を出せば当然のネタ・・・と言ってしまっては野暮だろうか。
 といってもたまに食べたくなりつい暖簾をくぐってしまうのは、やはりその抗し難い魅力のなせるわざというべきか。いずれにしろ今年最後の握りを満喫して、肌寒い北風が流れ人影もまばらなヒルズを後にした。

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