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銀座「アルジェントASO」で大人のランチデート

100311ginzaaso1livarot.gifプランタン銀座の裏側あたりにあるビル、エレベーター8階で降りるとやや照明を落としたシックな空間が広がる。そこは大人のイタリアン「アルジェントASO」。廊下を歩いて見えてくる広々のウェイティングスペースはなかなかの雰囲気。ずっしり深く座れる黒いレザーの大型ソファーがずらっと並ぶ。シガーや食後酒を楽しむラウンジスペースでもある。
 らせん階段を上がった9階がメインダイニングになっているが、私達はウェイティングスペース脇に並ぶ個室を利用した。8人用の団体向けの個室から、今回使った2人用の個室まで用途に応じて利用できるのは使い勝手が良いかもしれない。

 今回は我が家的ホワイトデー企画という事で、日曜日の贅沢なランチにぴったりな、シェフお任せのBコース(10500円)にした。まずはグラスのシャンパンで乾杯。シンプルシックな2人用個室のテーブルには、ASOのインテリアキーワードでもある大粒ダイヤのようなクリスタルが2つ、シャンパンの美しい泡と共にキラキラ光る。「女心をくすぐるなぁ・・目の前にデビアスがあるわね」と妻がつぶやいている。
 自家製ホイップバター3種(スモーク・オリーブオイル・プレーン)とパン7種(グリッシーニ・セサミ・ハーブ・トマト・クリなど)が運ばれる。

 まずは「フォワグラのテリーヌ」。一瞬「どこにフォワグラが?」という、富良野の雪景色にヒントを得たという一皿。雪に見立てた白い泡、その「雪」を掻き分けた中央部分には花びら。花びらの下には「春の大地」とでもいうべきフォワグラのテリーヌが隠されているという仕掛けだ。
 見た目だけではなく、儚く口の中に消えていく泡のほのかなオレンジの風味、花びらのほろ苦さ、バルサミコの甘酸っぱさ、それらをどっしりと受け止めるフォワグラテリーヌのリッチな濃厚さが、三位一体の美味しさ。イタリアンというよりフレンチ的な味わいに脱帽という前菜だった。

100311ginzaaso2 そしてアイデア光る「きのこのスパゲッティ」。クリアな桜色のビーツのジュレが印象的な美しいプレートと、ホイップミルクの乗ったパスタが細長のグラスに入って運ばれてきた。また最初は「?」。「グラスに入っているスパゲッティをプレートにかけて、しっかりと混ぜてからお召し上がり下さい」と説明され納得する。
 トランペット、ジロールと交じり合ってこれまた視覚的にも味覚的にも計算された楽しいパスタ。「パスタが美味しくないイタリアンは、通う価値がないの」とうるさい妻も大満足の様子だ。これにはグラスの白を合わせて頂いた。

 メインは「熟成和牛ロースの炭火焼き」。ASOこだわりの熟成和牛。50日熟成させた牛肉が2種類提供される。いわゆる希少なトモサンカク部位。一つは栃木産内腿肉、一つは北海道産のやや外腿肉という。噛み締め甲斐のある肉質、脂身を感じる肉質とそれぞれの違いが引き立ち美味。シンプルな炭火焼きと的確な塩加減で、十二分に熟成牛の旨みが引き出されていた。
 ブロッコリーとカリフラワーの亜種というロマネスク、軽く浅漬けしたパプリカなどの付け合せも楽しい。九州ではメジャーな安寧芋も、こちらではココットで小ぶりの石焼芋になって出てくる。

 合わせた赤ワインは「シャトー・レオヴィル・ラスカーズ(Chateau Leoville Las Cases)2001年」。ランチなのでグラスにしておこうかと思っていたのに、ひらまつグループの相変わらず他店を圧倒するワインの値付けに思わず注文する。これも現在の市価とほとんど変わらない。
 ボルドーでは余り良いヴィンテージではないが、だからこそ9年でもう適度に熟成も進んでいる。ラスカーズらしいカベルネソーヴィニョンの存在感に、サンジュリアンらしい酸味のバランスがなかなか良く、「イタリアン・ランチ」にはぴったりだった。

100311ginzaaso4 ふわふわまろやかな「パイナップルのムースシャーベット」。微妙なシャリシャリ感の残った味わいが口直しにぴったり。様々な果物を使ってみたが、最終的にこの感じが表現できるパイナップルに落ち着いた定番の一品だという。

 デザートは迫力の「氷器」に載せられてきた「キャラメルとココナッツのアイスクリーム」。「3種の岩塩を添えていますので、お好みですりおろしてかけてお召し上がりください」と小さな卸金付きで提供される。モンゴルやヒマラヤ塩だという。黒い硫黄香の塩が合うように、アイスクリーム自体にも玉子を多目に使用している。「なるほど~ゆで玉子よ!」と何だか嬉しそうな妻。そして金粉がアクセントの「チョコレートのスフレ」、これもシンプルな名前では予想付かない手の込みようで、下グラスのビーズで温度調整され、クリームの甘さとビターチョコの苦味が絶妙だった。
 更にお茶と共に出てくる小菓子やフルーツは、(前回
予告で言ったが)フラワーアレンジに見立てられて提供される念の入れ具合だ。女性に嬉しい演出があちこちに用意されている。ランチとは思えない高い満足度だった(写真は妻のために全体的に少なめの量でお願いしたプレートになっている)。

 「メニューの名前」こそシンプルだが、運ばれてくるプレートは想像を超えて遊び心に溢れた上質の味わい。そしてひらまつグループらしい細やかなサービス、値段・保存状態とも素晴らしいワイン、完成された空間・・・大人が安心して楽しめるイタリアンレストランと言えるだろう。

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