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京都「清課堂」、伝統芸術的美なる日本の夏

100727seikado1millefeuille.gif先日、銀座の「鮨 水谷」で気に入った錫(すず)の箸置き。御主人にお聞きしたところ京都の「清課堂」のものという。季節毎訪れる京都、当然ながらその「水谷の箸置き」を求めるべく早速お店に出向く事にしたわ。

 我が家の京都常宿先である「俵屋旅館」からもほど近い、文化的雰囲気の寺町通りにあるその「清課堂」は、江戸後期(1838年)に創業という日本最古の錫工房。神社仏閣や茶道御家元の御用品を作っている事で知られる歴史深い名店。現在は錫のほか銀など多種金属の工芸品も作っているの。
 一見小さめの造りだが、販売スペース以外にも奥には工房、土蔵に茶室にギャラリーもあって、創業時からのこの場所という事で風格ある佇まい。

 外から見えるディスプレイスペースには、銀色に輝く酒器類がいくつか・・夏らしいわぁキレイ♪ 既に一目ぼれ。店内に入ると、所狭しと銀色に輝く伝統工芸の美しい作品たちがキラキラと出迎えてくれる。茶器や花器、皿に箸・匙、香炉・香立にアクセサリーなどなど・・・亡祖父を思い起こさせる「手綱煙管」も粋。細かい職人仕事ならではの繊細さが優美、輝きも技法によってそれぞれ。何ともため息が出る日本美の世界よ。

 色々と目移りするが、やっぱり最初に見た「鍛造槌目チロリ(2万円前後)」とお揃いの「ぐい飲み(5250円~)」に決めた。杉目や石目丸、総石目など色んな柄がある中から主人とそれぞれ選んだりする。ずっしりと重みあるぐい飲みを手に取ると、キリッと冷えた日本酒をイメージして喉が鳴る(笑)
 お店のしおりには、島崎藤村の「祝の酒は香にあふれ 錫の堤子をひたしけり」という歌が書かれているが、昔から錫器で呑むと酒が美味くなると言う。理由はまずは「香り」との事。金属にはそれぞれ固有に臭いがあって、これが酒の旨味を引き立てるとか。

100727seikado2 そういえば10年程前まではワイン用品でも、ピューター(錫合金)の「ロイヤルセランゴール」が気に入っていて、ごっついキラキラ装飾のグラスやデキャンターなど小物類まで随分集めたものだった。無意識だったけどそういった事も関係していたかもしれない。

 そうそう、そしてお目当ての「京野菜の箸置き 五種セット(9450円)」。賀茂茄子・聖護院大根・鹿ケ谷南瓜・京筍・万願寺唐辛子。これが欲しかった♪ 他にも単品で、わさび・舟型・おしどり・瓢箪・絹さや・・色々あったわ(各1500円前後)。

 現在は7代目山中源兵衛(純平)氏の若い発想で、現代デザインの作家物も多数ある。中でも小山泰之氏の作品はモダンでシャープで惹かれた。京都造形芸術大学には「清課堂プロジェクトチーム」などもあり、先月は展覧会なども行われたそう。9月には「金属でできた針金をレース状に編む」パリの女性ワイヤーアーティストの個展も「清課堂ギャラリー」で行われるらしいし(現地制作中の彼女をこの日たまたまお見かけした)、歴史の上に革新的な世界が育っているのも素晴らしい。

 店内をじっくり眺めている間に、桐箱に丁寧に何重も包装した品物が出てくる。「使い込むうちに独特の風合い・味わいが出てくるので、是非とも毎日使って頂きたい」と、色々お話して下さった先代が暑い中外まで優しく見送って下さる。今度は季節変わって寒さが似合う頃、燗鍋など拝見にまた寄らせて頂きたいわ。

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