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京都の夏、俵屋旅館で感じる祇園祭と美術 そして北欧家具

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millefeuille.gif祇園祭で賑やかな7月(文月)、風が吹かず日が照り付ける京都はかなり暑い。車から降りて逃げるように「俵屋旅館」に駆け込む。この期間は家紋入りの幕がかかっていて風情もひとしお。打ち水で涼しげな石畳を入るとス~ッと涼しくなり、いつものスタッフ陣が笑顔で出迎えてくれる。

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 他の名だたるお料理屋もそうだが、京都の素晴らしい事は、毎月「しつらえ」に凝っていて季節感という物をとても大切している。一目で空気や時間を体感できる、これは町中がそんな日本風情でいいわ。
 とくにデザイン・芸術性に定評のあるこの俵屋旅館、「しつらえ」の美しさや素晴らしさは毎度とても楽しみ。去年はいつも使う
お部屋を中心に紹介したので、今回は館内の共有スペースをお話ししてみるわ。

 そんな7月、玄関の迎え屏風は豪華な金の「洛中洛外図屏風」、その右側には赤が美しい「長刀鉾雛形」が立っている。その周りフロント入口や階段下、茶室「苞庵」に向かう廊下にも、この時期ならではの「祇園会山鉾図」などが雅に華やか。静かで重厚感のある佇まいの中に、こういった「しつらえ」が細かく計算されて並ぶのは実は美術館なみ。

 そしてきっと来客者が一番目につく中坪庭、これを拝見するのが楽しみのひとつという人も多いと思う。この月は天の川をイメージした「七夕飾り(乞功奠)」で、舟を浮かべた涼しげな蹲踞を中心に(去年は梶の葉も浮かべてあった)、笹と揺れる五色が美しく何とも爽やか。
 その奥、中庭に面した図書室に繋がるロビーに飾ってあるのは根来塗の「筑前琵琶」。その昔宮中の乞功奠では管弦演奏があった事から、合わせてこの琵琶も飾られているよう。ちなみにこの赤く可愛い琵琶は、元々は九州の神社に奉納されていた物と言うわ。

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 続いて2階にある談話室「アーネスト・スタディ」。宿泊客のラウンジとして夕方から夜にかけて解放されている。現11代当主・佐藤年氏の亡夫で、写真家でもある先代のアーネスト氏(アメリカ人)の書斎を再現させたというだけあって、美術デザインや建築の洋書が沢山並んでいるのが印象的。そしてインテリア、オブジェのように鎮座するハンス・J・ウェグナーやフィン・ユールの椅子。ルイス・ポールセンの照明などの北欧家具の名作たち。

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 そうそう、今回コレを見る為に私は珍しくこの2階に上がったのだった!光が差し込む奥のソファスペースの窓際には、外の緑と相まって夏らしいガラスのオブジェ。そうコレ、宮脇愛子氏のMEGU(70年代の作品)。ガラスを幾重にもする事によって光が「うつろう」感じになる、厚ガラス独特の緑色の波。彼女の夫(磯崎新氏)の作品もそうだけど、クールで無駄のない感じが私の好み。ここで見るメグはまた独特の美しさ。

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 俵屋には良く見て聞いて感じないとわからない宝がいっぱい。他にも新館や旧館に向かうあちこち、階段や壁・柱・・色んな所に貴重な美術品がそっと佇んでいる。何度も通って心や耳を澄ませてこそ、ここの本当の楽しさ素晴らしさがわかると思うわ。

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 ・・・という訳でもとい、宿泊するいつもの「暁翆庵」の床の間には、これまた祇園祭らしい対の掛け軸「祇園祭礼図」。左が「橋弁慶山」で右が「長刀鉾」と華やか。去年の掛け軸は江戸初期の「祇園会図」だったっけ。ちなみに今回はお部屋のトイレが最新設備に変身していてびっくり。歴史深い数寄屋造りの建物を常にキレイに手入れして、一見違和感なく毎度何かが進化していく様は感動する。ほんと全てが行き届いている。
 さて・・次回は、お部屋で頂く黒川料理長のお料理の話としますか。夏の京都といえば当然「鮎」に「鱧」ね♪

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