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ジョエル・ロブション来日 ガラディナー Extravagance a la Truffe Noire 2011(前編)

livarot.gif春が訪れるのかと思いきや、冬がいきなり逆戻りして来たかのような寒い夜、宿泊先の新宿「パークハイアット東京(Park Hyatt Tokyo)」から向かうは恵比寿に浮かび上がる城。昨年10月に続き、ジョエル・ロブション(Joel Robuchon)氏が再び来日して「一夜限りのガラ・ディナー」が「シャトーレストラン ジョエル・ロブション(Château Restaurant Joël Robuchon)」で開催された。

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 今夜は「Extravagance a la Truffe Noire 2011」と銘打たれ、黒トリュフ(Tuber Melanosporum)を全面に打ち出したメニュー。今回もロブション氏本人が厨房に立つのが売りだ。19時過ぎに伺うと、既に2階のメインダイニングは満席に近くざわめきにあふれている。秋のガラとはまた違ったお祭りのような賑わいだ。

 まずは、華やかなシャンパンワゴンの中から「ブルーノ・パイヤール・ブリュット・ブラン・ド・ブラン(Bruno Paillard Brut Blanc De Blancs) 1996年」をチョイスし乾杯。その熟成香を楽しみつつメニューの説明を受ける。
 完璧主義者のロブション氏らしく、ディナー開始の30分前までメニューの微調整を行ったという。それでもすらすらと各プレートのイメージ・ポイントをよどみなく、そして分かりやすく的確に説明してくれるので、ますます期待がふくらむ。

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 アミューズは「トリュフのブリオッシュ(truffe brioche)」。ふんわりとやさしいトリュフ香が香る。ブリオッシュが乗せられた台座のトリュフ写真は、今回もシェフ自身が撮影して演出したものというからさすがアーティストだ。

 始まりの1皿(Pour commencer)は「寒鱈白子 トリュフを巻き付けカリッとベニエに、アロマートソース添え(La Laitance de Morue)」。美しい金箔を施された和皿で出てきた。フライされた白子のネットリした食感にトリュフがまとわりつくような一品。

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 鱈のブイヨンを泡立てたムースが添えられる。白子の下のアロマートソースのトマト・ケーパー・アンチョビなどの香り、添えられたローズマリーの香り、そしてもちろんトリュフの香りがからんで複雑なニュアンスを醸し出している。「和」と「仏」が見事に融合したような前菜で「和食としても全然美味しいわね~!」と妻は感心しきり。本日のディナーにぐっと引き込まれていくのを感じる。

 ここ「ガストロノミー ジョエル・ロブション」の楽しみの一つは25000本というワインの豊富さにもある。そしてこの度、信国武洋シェフソムリエがなんとiPadのワインリストを導入していた。確かにこれほど多いワイン数・・画面操作一つで希望する「地域」や「畑」に飛べるというのはとても見やすく便利だ。
 しかも今後はロブション氏の指示で、内1700種類のワインの写真、そしてコメントなども加えていくという(どんなに大変な作業だろう!)。さすが、飽くなき向上心というものがヒシヒシと伝わってくるのが頼もしい。

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 妻の「今日のトリュフにこそ合わせたシャンパーニュが飲みたい!」というリクエストに、信国ソムリエに選んでもらったのが「エグリ・ウーリエ エキストラ・ブリュット・グラン・クリュ VP(Egly-Ouriet Extra Brut Grand Cru V.P)」。トリュフ、蜜の香りがふわっと漂う。新鮮な感覚に妻が大層気に入っている。

 ワインを飲んで「トリュフ香がする」と表現する時、記憶の引き出しを開けてトリュフ香を思い出しつつ、ニュアンスの近接性をとらえている。「果実」「花」「ハーブ」「スパイス」「熟成香」などの引き出しを設け、さらに細かいニュアンスを整理整頓しておくのはプロでない一消費者にはなかなか至難の業。
 ところが目の前でふんだんに香る最高級の黒トリュフを味わいながらこの「エグリ・ウーリエ VP」を飲むと、当然ながら引き出しを開けるまでもなくトリュフの香りを感じ、トリュフがつけ込んであるかのような錯覚さえ覚えた。なるほど・・これぞ究極の「贅沢なワインの楽しみ」といった感じだろうか。

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 冷製の前菜は「フォアグラ なめらかなクリームにして香り高いジュレでとじこめ、金箔とトリュフを散らして(Le Foie Gras d'Oie)」。生クリームと合わせたガチョウのフォアグラのリッチで滑らかなクリームの上に、トリュフ風味のブイヨンのコンソメゼリーが乗っている。さらに目の前で、まん丸とした大きなペリゴール産黒トリュフが惜し気なく削られていく。何とも贅沢な一品だがとてもバランス良く頂ける。

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 添えられるのは、細かく砕いたドラジェが乗った「パンオレ・オ・ドラジェ」。「エグリ・ウーリエ VP」のトリュフ香と合わせて、まさに「トリュフにまみれる」ような心地で妻もご満悦の様子だ。ワインと料理にはいろんな視点のマリアージュがあると思うが、まさに「相乗効果」の素晴らしいマリアージュだった。

20110209joelrobuchon4 温前菜は「車海老 トリュフを差し込んでからポアレし、シャトーシャロンの香るフランと一緒に(Le Crevette Royale de Pleine Mer)」、これは蓋付の和風柄の皿で出てくる。
 海老ミソを付けた上でトリュフをピケしてポワレしている。地鶏のトリュフ風味のソースをあんかけのように乗せている。その少し歯ごたえのある食感とフランの限りなく柔らかい触感のコントラストが何とも可憐な一皿だ。オマールのムースとトリュフが青梗菜で巻かれているのも楽しい付け合わせ。

 ロブション氏の大のお気に入りという「シャトー・シャロン」の独特の香りが、フランを飲み込んだ後にかすかに余韻に漂い、それもプレートの複雑さを醸し出す。合わせるグラスワインはもちろんその「シャトー・シャロン(Chateau Chalon) 2002年」だ。
 ジュラ地方でサヴァニャン種で作られ、6年もの期間樽の中で熟成されるという。「樽の液面が下がってきてカビがはえて、その影響でこのようなシェリー香が出てきます」と信国ソムリエ。なるほどまさにシェリーだ。アーモンド・ナッツ・クルミ・燻されたような強烈な香りが鼻先を包み込む。

 さて前半はここまで。次回後半は・・・2年ぶりの「ロブション・スペシャリテ」や、セラーに3本しかない料理に合わせた究極の1本(赤ワイン)など、更に盛り上がっていく「ロブション・ガラ」ならではの数々を紹介しよう。

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