博多どんたくウィークは日航「レ・セレブリテ」で爽やかフレンチ
ゴールデンウィークの5月3・4日と言えば、日本中から最も多くの人が集まる(約200万人)福岡市民のお祭「博多どんたく」がある。今年は「九州新幹線全線開通(博多から熊本までは33分、鹿児島までは1時間19分)」した事により「新博多駅」を中心に福岡は沸き立っていて、この連休中は更に多くの観光客が見込まれる。そんな中向かったのは、博多駅から地下でもつながっている「ホテル日航福岡」。2階にあるフレンチレストランの「レ・セレブリテ(Les Celebrites)」は、アイボリーとオレンジを基調にした開放的な空間で、これから夏に向けてバカンスチックな気分に合うわ。

という訳で、「レ・セレブリテ」春メニューを楽しむことにする。まず乾杯は「ペリエ・ジュエ ブラゾン ロゼ(Perrier Jouet Blason Rose Brut)」をグラスで頂く。ラズベリーの柔らかで華やかな香り、そして少し甘めの口当たりが食前酒にふさわしい。
かなり明るい赤色のシャンパーニュは、一口サイズのアミューズの「宮崎産西米良サーモンのミキュイ オシェトラキャビア飾り コニャック地方産ユニブラン種 ジュ・ド・レザンのジュレ」に味も色合いも似合う。薫香のついたサーモンの上に、コニャック地方ジュースで作った薄い透明のジュレがかぶせてあった。

前菜の「ヴァンデ産鴨のフォアグラとモリーユ茸のフリカッセ グリーンアスパラガスと熟成コンテの香り」には、お気に入りの「アンリオ・キュベ・デ・アンシャンテルール(Henriot Cuvee Des Enchanteleurs) 1995年」を合わせることにする。かなり落ち着いた熟成香・・ナッツやシェリー。アンシャンテルールらしいふくよかで色気ある飲み心地が素晴らしい。
春を彩るモリーユ茸と風味がハーモニーを奏でる。フォアグラの脂、モリーユ茸のエッセンス、それにマデラ酒を合わせた軽やかなソース。太いグリーンアスパラガスに巻き付けられた、薄く切られたコンテの風味がおもしろいアクセントになっていた。
続いて「エピスが香るリードヴォーとラングスティーヌ 春の味覚のジャルディニエールと共に」。柑橘系の味わいを入れた春らしい味わい。リードヴォーとラングスティーヌに素材としての迫力がないので、やや味わいのインパクトには欠けてしまった。
仏・ブルゴーニュの3ツ星「ベルナール・ロワゾー(Bernard Loiseau)」で食べたリードヴォーの口の中で白子のようにとろけていく旨みに比べると、なかなか日本では満足いくリードヴォーには出会えない。

「天草産緋扇貝と春キャベツのポーピエット ピエドコションのコンポテとジュ・トランシェ」。緋扇貝をチリメンキャベツで巻いてポワレしている。ピエドコション(豚足)が下に敷かれている。面白い組み合わせ方で楽しかったが、チリメンキャベツ内側に巻いてあるベーコンの塩気がやや強くてくどかったかもしれない。
「ブルターニュ産オマール海老と玄海スズキのロースト プロヴァンスの春の味わい」。春らしく軽やかにそして鮮やかに彩られたプレートだ。アサリのジュをバターブイヨンで泡立て軽やかさを演出している。付け合わせには佐賀産のホワイトアスパラガス。ガツンとは迫ってこないがそれなりにバランス良く仕上げてあった。

さらに「自家製サングリア トマトとバニュルスでエスプーマ仕立て」で口直しした後に、「ノワゼットの香りを纏ったラカン産小鳩とアーティショーバリグール エクス風」が運ばれてくる。仔鳩の鉄っぽい血の味わいが上手に表現されている。妻はダイナミックに仕上げた胸肉の生さが少し苦手だったようだが、腿肉は美味だった。
小鳩に合せる赤ワインは、「コント・ジュルジュ・ド・ボギュエ シャンボール・ミュジニィ プルミエ・クリュ(Comte Georges de Vogue Chambolle Musigny 1er Cru) 1997年」。なかなか手に入らないヴォギュエの1本。綺麗に凝縮した赤い果実の香り。控え目ながらバランスよいアタックから、涼しげにそして端正に余韻が広がる。ピノ・ノワールの美しいエッセンスを閉じ込めたようなりりしい雰囲気。まだまだ若いものの時間をかけてゆっくり楽しむには良かった。

味わいの着地点やインパクトにまだ物足りない面もあるが、軽いフレンチ(ブラッスリー)が好きな人には落ち着いた雰囲気の中、ランチも含めて使いやすいホテルレストランだろう。ワインの保存状態は良いので、ワイン好きは原部ソムリエに色々率直に相談すると良いかもしれない。印象に残るプレートはなかったものの、練って構成され丁寧に作られたことが伝わる森田シェフの、若く向上心あふれる料理を楽しんだ「博多の春夜」であった。
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