ワイン・酒

ハジメ レストラン ガストロノミック オオサカ ジャポン 研ぎ澄まされていく技術と感性(後編)

livarot.gifさて前回に続き大阪の極上フレンチ「ハジメ レストラン ガストロノミック オオサカ ジャポン(Hajime RESTAURANT GASTRONOMIQUE OSAKA JAPON)」の後編。前半までで各プレートにかなり魅了される。各プレートの主素材のイメージがはっきりしていて食後の印象は明確、一方で様々なアクセント「甘み」であったり「酸味」であったり「香り」であったり・・・複雑に構築しているため、単調ではなく奥深さを感じながら主素材を楽しめる。後半もその印象はますます確かなものになっていった。

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 少し戻って魚料理は絶妙な火入れでアートな断面を見せる「sawara」。桜色の断面が美しい5.5キロの「対馬五島列島産の鰆」は熱の入り方がソフトでいて的確、ジャストな仕上がりで鰆を超越した味わいに感動する。これに合せられたグラスの白ワインはソムリエに相談する。

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 「ピュリニィのデミはどう?」と尋ねるとグラスの「オステルタッグ クロ・マティス・リースリング(Domaine Ostertag Clos Mathis Riesling) 2007年」を勧めてくれた。これがまた良かった。濃厚でいてオイリーな複雑さを持った好きなニュアンスのリースリングは、「鰆に添えられたキンカンやほおずきとも良くあう。次のフォワグラまで楽しめた。ちなみにバレリーナのような印象的なラベルは、当主夫人の描いたぶどうの株だそうだ。

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 その「フォワグラのタルティーヌ(foie gras au naturel)」の登場した姿に一見驚く。軽くスライスして焼き上げたジャガイモの板で鴨フォワグラを挟んでいる・・つまり「タルティーヌ(tartine)」をジャガイモに変化させたものだ。イチジクのコンフィ、黒胡椒、煮詰めたヴィネグレット、エストラゴン、ディルなども一緒に、まさにサンドイッチのように手で頂く趣向という訳だ。

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 パリッと軽やかなタルティーヌとねっとりしたフォワグラ、その食感のコントラストも実に美しい。手で食べるという作業がややカジュアルな印象を与えてしまうものの(女性には若干抵抗あるかも)、綺麗に仕上げたフォワグラテリーヌの本質を食感、甘みなどのアクセントともに楽しめた。

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 次は「パースニップのスープ(panais)」。器の底にはパン粉、その上にトリュフのアイスが乗っている。目の前で80度の熱々のスープが注がれると、トリュフの芳香とパースニップの香り、さらに底のヘーゼルナッツの香りが一気にテーブルに流れ出してくる。温度差を楽しむ趣向だ。

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 さて「フランス・ビュルゴー家のシャラン鴨(canard challandais)」だ。肉面が見えない程に覆っているのは、昨日届いたばかりという「ペリゴール産黒トリュフ」だ!大きくスライスされて何枚も・・これで+3000円だからかなり良心的だろう。ちなみにワインの値付けもなかなか工夫されている。
 皮目の脂はきっちりと焼かれて、鴨の皮の美味しさが上手に表現されている。2時間半かけて赤外線で火を入れたという断面は美しいロゼ色。ナイフを入れるとスーッ切れていく・・しかし血がにじんだりせずにきっちりと火が入っている。

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大阪 Hajime「ハジメ レストラン ガストロノミック」 究極を目指す緻密な料理(前編)

livarot.gif大阪・肥後橋にある話題のフレンチと言えば「ハジメ レストラン ガストロノミック オオサカ ジャポン(Hajime RESTAURANT GASTRONOMIQUE OSAKA JAPON)」(前回の訪問はこちら)。米田肇シェフはフランス・ロワール地方での修行を経て2005年に帰国し、北海道洞爺湖「ミシェル・ブラス トーヤ ジャポン(Michel Bras TOYA Japon)」を経て2008年5月大阪に「ハジメ(Hajime)」をオープン。2009年10月史上最短でミシュラン3つ星を獲得して話題になった。

 順風満帆な料理人人生のようだが、社会人生活を経て専門学校を出てレストランに入ったばかりの頃はなかなかうまくいかなかったという。「そのレストランを辞める」「料理人を辞める」「命を絶つ」という3つの中から選ぶ瀬戸際まで追い詰められた。そこまで料理にかけてきた張りつめた緊張感、退路を断った向上心というのが伝わってくるレストランである。

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 新大阪駅から車で20分ほど、大通りから1本入ったガラス張りのビル1階。シンプルな白い扉を開けるとシックモダンな空間が広がっている。高めの天井にダークグレーの床、白壁には赤が印象的な深尾力三(RIKIZO)氏の作品がかけてあり、奥の黒壁にはフラワーアレンジメントが浮かび上がる。洗練された無駄のないスマートな世界だ。壁沿いの間接照明や料理を浮かび上がらせる照明、テーブルの間隔配置も巧い。SE出身の米田シェフらしく、全てにおいて細やかに計算されているのが解る。

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 前回はランチを楽しんだが今回はディナーということでどのような印象の違いを受けるか楽しみだ。ちなみに2012年5・6月頃からは、ランチ営業を止めてディナー1本にするという。研究の時間を取りたいという、いかにも米田シェフらしい理由であろう。
 ちなみに「値段も挑戦的になる」ということ。現在のディナーは15000円とかなり抑えた値段であるから、食材に更にこだわり存分に手間暇をかける代わりに、思い切った値段に上げることを歓迎する客も少なくないと思う。さて今宵頂くメニューは「Le Menu nature et dialogue 2012」自然と対話、シェフのお任せコースだ。

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 工夫したグラスワインのリストもあるのだが、せっかくなのでボトルで楽しむことにする。どっしりと重厚なワインリストが渡される。いつの頃からかレストランのワインリストも軽く見やすいものが主流になってきた。しかしグランメゾンのワインリストというものはこうあって欲しい。
 選んだのは「テタンジェ コント・ド・シャンパーニュ(Taittinger Comtes de Champagne Blanc de Blancs) 1999年」。美しいミネラル感と優しい甘み、そして優雅な酸を持つこのシャンパーニュならハジメの料理とも寄り添えるだろう。シャンパーニュも色々と揃えてあったが迷わずチョイスした。

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 まずは3種類のアミューズがテンポよく一つの流れで提供されてくる。「ヒラメのカルパッチョ」はゴマやコリアンダーを混ぜ込んだ生地を筒状にした上で、雑穀米を巻き込んでいる。最後にかすかに残る胡麻の風味、そしてはかない食感の平目とサクサク感が何とも調和する。ランチもアミューズは「ヒラメのカルパッチョ」からスタートしたが、より精妙に作り上げてデザインやパウダー(今回は野菜)も変化させている。
 次もランチとは違う、美しいカクテルグラス風の器に入って登場したスペシャリテの「ウフコック」。半熟玉子の上にはフランス産桃のピューレが美しく乗せられている。ナツメグ・シナモン・八角などのスパイス、イベリコ豚のチョリソの薄切りも効いている。優しく上品にアプローチしてくるアミューズだ。

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京都 俵屋旅館、初春を祝う縁起良き「睦月のお料理」

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livarot.gif前回に続き、京都「俵屋旅館」のスイートルーム「暁翠庵」にて。高野檜の風呂から上がり、居間から刻々と庭が暗くなる様を見つめる・・この静けさが良いのだ。やがていつもの担当お部屋係さんが笑顔で挨拶に来られ、夕食の支度がスタートする。
 したためられた達筆の「睦月献立」が置かれる。実は今まで女性が書かれていると勝手に思っていたが、何と黒川修功料理長の直筆というではないか!なるほど言われてみれば、繊細で流麗穏やか均等の取れた端正な文字はまさに「彼の生みだす料理」そのままである。

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 「松」絵柄の杯に注がれる食前酒は自家製「山桃酒」。ほのかな甘みが春近しを思わせる。華やかな朱漆盆に並べられた先付は「蛤 平茸 菊菜とんぶり和」「百合根松風」「御多福」「海老艶煮」「黒豆」「梅人参」「長老木造唐墨和」など。なめらかな舌触りの蛤に歯を立てると上品な旨みをまとった水分が流れ出してくる。蛤に金箔を施した「貝合わせ」の皿が縁起も良い。

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 添えられる小茶碗は「かすみ湯葉 磯辺粉 生姜」、磯辺の香りがふんわりと漂い、生姜の風味と一体となった味わい。体を芯から温めてくれ、寒いこの夜に染み入る美味しさだった。乾杯は俵屋でお馴染みの「ポメリー(Pommery)」、穏やかなイースト香にキリリとした酸味が和食に合わせやすい。

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 向付は「鮃へぎ造り」と「河豚千利造り」。何とも美しく包丁が入った鮃は、ねっとりした食感の後に爽やかに消えていく。そして残るのはふくよかな鮃の旨み。ヒヨコをかたどった器には小さなネギを巻いている河豚。これはポン酢で頂く・・何とも細かい仕事だ。河豚皮も細かく繊細に仕上げてある。いつ食しても魚であることをある意味感じさせない、しかしそれぞれの魚の特徴が伝わってくる完成度の高い向付。

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 煮物は「海老芋茶巾 白味噌仕立て」。結び人参の赤が映える。これまた目出度い華やかな飾りだ。京都らしい白味噌の色っぽく染みるような出汁が美味。その白味噌のとろりとふくよかな甘さの中に、海老芋の食感がほぐれつつ広がる。添えられる京野菜の鶯菜は早春の訪れをどこか感じさせる。美しい漆器の蓋には朱い「打ち出の小槌」、底には金色の「徳俵」の絵が浮かび上がる。妻は「まぁ素敵」と嬉しそうだ。

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博多中洲「グロッタ・ロッサ」、進化系イタリア料理と希少ワインの絶妙 に脱帽の雪夜

livarot.gif雪が散らつく寒い夜、急に美味しいイタリアンを食べたくなって、櫛田神社近くの「赤の洞窟」という名のイタリアンレストラン「グロッタ・ロッサ(GROTTA ROSSA)」に向かう。照明をかなり落とした暗い赤と黒のダイニングは、まさに洞窟のように細長い独特の空間。

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 ここは「ザ・ペニンシュラ東京」なども手掛けた橋本夕紀夫氏の設計。美しく浮かび上がるワインセラーには1000本のワイン、そしてバーにはシガーの香りが漂う。中州と言う場所柄か各客席がセパレートされているためプライバシー感があり、デートなど少人数によるひっそりした大人の使い方がお勧めだ。

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 さて、今夜はいつもの暗く色気あるメインダイニングではなく、中央左手奥にある明るい照明の個室で頂くことにした。壁にはエントランス同様の水の流れるオブジェ。テーブルにはダイニング同様に片方だけに肘掛けがある座り易い、アイボリー色の明るい椅子。なかなかの落ち着いた空間に、「今度からここにするぅ」と妻もかなり気に入った様子である。

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 席に付くと大久保和也ソムリエが「今晩は寒いですからまずは暖まってください」と、わざわざ用意してくれてた「ヴァン・ショー(vin chaud)」をスーと差し出してくれた。嬉しい心遣いとほっとする味わいに心も体も温まっていく。
 いつものように今日のお勧め料理を聞きながら「アラカルト」でメニューを決めていく。ワインもいつものように当然お任せ。信頼して任せられるソムリエのいるレストランは貴重なものである。

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 アミューズは、アオサのパウダーが振りかけられた「小牡蠣と魚のクロケッタ」。下には魚介のエキスとクリームチーズを合わせたソースも敷かれている。合わせられたワインはピエモンテ「カステッロ・ディ・タッサローロ ガヴィ(Gavi Castello di Tassarolo) 2010年」。キリッとした味わいが、テーブルに漂うアオサの磯の香りを上手に引き立ててくれる。

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 前菜はお勧めを3種類チョイスした。まずは「車海老の炭火焼き」。熱々に熱した石の上に炭火で焼かれた車海老が乗っている。フィンガーボールは「海藻の浮かぶ海水」というこだわり。つまり浜辺で炭火を焚いて食するイメージというから何とも楽しい。バーニャカウダのソースもちょっとしたアクセントに頂く。
 合わせるシャンパーニュは「ラルマンディエ・ベルニエ ブラン・ド・ブラン エクストラ・ブリュット R.M(Larmandier-Bernier Champagne RM Blanc de Blancs 1er Cru Extra-Brut)」。樽香の効いた独特の凝縮した口当たりが香ばしく焼いたタイムの香りと混じり合ってハーモニーを醸し出す。

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 そして次は「フランス産鴨胸肉の薫製と冬野菜 『ある森』の風景 」。アルガンオイルの風味が香り立つ・・野鴨の飛び交う森をミシミシと踏みしめていくイメージという。薙野シェフらしいそんなストーリー性が何とも楽しいプレートだ。牛蒡、固形状にしたグリーンオリーブ、パウダー状のオリーブオイル・・それぞれがジャリジャリと口の中で音を立てる・・・確かに森の土を踏みしめている様な気分になってくるから不思議だ。脱帽させられた楽しく美味しい前菜だった。

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 前菜の最後は「糸島で栽培された野菜達 大地から海に流れ出したサルサ」、とまたこれもアーティスティックな題名だ。ハーブ・ミント・レモングラスの入ったシジミのエキスがテーブルで注がれる。シジミの風味、野菜の苦み、根野菜の甘みが絶妙なバランスでまとまった1品。3つの前菜ともにシェフの思想がストーリー豊かに表現されていて、これまた不思議な世界が良かった。

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日航福岡「レ・セレブリテ」で黒トリュフ三昧 上品に楽しむ大人の夜

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livarot.gif正月気分も抜けて落ち着いた静かな寒い夜、JR博多駅からほど近いホテル日航福岡のフレンチレストラン「レ・セレブリテ(Les Celebrites)」を再訪する。今宵は個室でゆっくりと「黒トリュフ特別メニュー」1人23000円を楽しむことにする。

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 カーテンで仕切られただけの個室とは言え、ダイニング同様の明るく重厚感ある内装、壁だけでなく天井にはびっしりガラスがはめ込まれていて独特の空間になっている。側面には豪華な大理石のコンソールやブロンズ彫刻など・・妻は大層気に入った様子だ。
 グラスシャンパーニュの「クリュッグ(Krug)」で乾杯。アミューズはプチシューと、ホワイトアスパラガスのムースの上にグレープフルーツのコンフィとジュレ。すべらかな食感が気持ち良い爽やかなアミューズだ。

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 前菜1品目は「黒トリュフとヴァンデ産鴨のフォワグラの球体 フランボワーズの香るベトラーブのピュレとポルトのジュレを添えて」。丸く形を整えられたフォワグラが3個可愛く並ぶ。上には黒トリュフのスライスに金箔。それぞれ球体の表面には黒トリュフ、パンデピス、ヘーゼルナッツがまぶされている。
 ソースも3種類が添えられる。黒トリュフのフォワグラには甘いベリーソース、パンデビスのフォワグラにはカリンのソース。そしてヘーゼルナッツのフォワグラにはパースニップ(白人参)のソース。モダンな設計でフォワグラのクリーミーな美味しさを過不足なく引き出している。「クリュッグ」ととても良いハーモニーを奏でてくれた。

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 そして「紋別産帆立貝柱とフランス産野生茸のフリカッセ パニュルス風味のジュに黒トリュフとトランペット茸のカプチーノ」。茸のカプチーノの風味、バニュルスの軽い酸味、帆立の甘味が調和していて絶妙な味わいの着地点、とても美味しい。「フレンチらしい、とても好みの前菜ね!」と妻は上機嫌。

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エンターテイメントな博多寿司「やま中」、大間のマグロで縁起担ぎな楽夜

millefeuille.gif新年会目白押しのシーズン、やはり縁起が良い華やかで楽しいお店を選びたいところ。そこで真っ先に思い出すのはエンターテイメント性の高い博多寿司を代表する「寿司割烹 やま中」。JR博多シティの大型ダイニングフロア「くうてん」やホテルなど支店もあるが、なんと言ってもやはり薬院にある「やま中 本店」にが良い。客層も福岡の財界人・著名人をはじめ、野球界や相撲界のご常連もお見かけする、前回は某九州最大の博物館館長をお見かけしたが、「やま中 本店」の見どころのひとつはやはり美術、磯崎新氏の設計するモダンな建築。ここはさながら磯崎新プチミュージアムよ。

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 打ちっぱなしのコンクリートにガラス張りの外観は15年経った今も新鮮で迫力ある佇まい。その中に温かみある自然素材が融合している。天井高の贅沢な造りは会話も気にせずゆっくりと食事をすることができるわ。
 艶やかな朱塗りの壁に浮かぶのは、5年に一度は数日休業して特殊な和紙を全て張り替えするという「雲型和照明」。その下には輝く美しい樹齢800年の木曽檜一枚板のカウンターで、いつも20人近くの客がずらりと座って壮観。後ろにテーブル席が5台、特注の白い「モンローチェア」も必見。

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 すりガラスが美しい廊下を越えて2階に上がると、寿司カウンター付の個室や接待用の大座敷もある。さてこの日はど満席、いつもにも増して賑やかな店内。もちろん私たちは今日も楽しい1階メインカウンター席、威勢のよい掛け声と御主人・山中啄夫氏の笑顔とおしゃべりが楽しい。

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livarot.gifまずはシャンパーニュ「モエ·エ·シャンドン(Moet&Chandon)」で乾杯し、いつものようにお任せの刺身からスタートする。ちなみにシャンパーニュは、このモエとヴーヴ・クリコしかないが、妻が「アンリオやボランジェも飲みたいな!絶対合うと思うわ」とわがままなリクエストを出していたから、次は増えていくかもしれない(笑)

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 博多らしい「アラ」は上質でふくやかな味わい。「平目の縁側」もとても美味で、コリッとした食感の後にねっとりした存在感を示す。「しめ鯖」は適度な締め具合で、穏やかな酸味が青魚の旨みを綺麗に引き出している。

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 「中トロ」はなかなかの脂身。聞くと築地からひいた250キロほどの大間の鮪という。仕入れ先の札まで見せてくれると客席に思わず笑いが起こる。このあたりのエンターテイメント性がやま中の真骨頂だろう。鮨も高価で蘊蓄を語る分野になったが、江戸時代、その発祥当時は立ち食い・早食いのファースト・フードにすぎなかった。楽しくなければ博多寿司でないというポリシーが好ましい。
 ちなみにこの「やま幸」は先日の築地「新年初競り」で、「銀座久兵衛」と香港「板前寿司」連合から依頼を受けて競りを行った仲買業者になる。ここ「やま中」は「久兵衛」とは交流しているというだけあって、何となく醸し出す空気に共通するものがある。

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2012年を占う?!年末年始に楽しんだ家飲みワイン

livarot.gif正月三が日を越えてもまだ初詣の人出は収まらない様子・・博多祇園山笠でお馴染みの博多の氏神といえば「櫛田神社」。平清盛が日宋貿易の拠点港として平安末期に伊勢松坂の櫛田神社を勧進して建てられたとされる神社だ。 さてご挨拶も済んだところで、今年も年末年始に家族と開運を願って楽しんだ、祝い酒ならぬ祝いワインを紹介しよう(昨年はこちら)。

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 まずは年末年越しに「ドメーヌ・デ・ランブレイ クロ・デ・ランブレイ(Domaine des Lambrays Clos des Lambrays) 2003年」。1981年にグラン・クリュに昇格したクロ・デ・ランブレイ。そのほとんどを所有するドメーヌ・デ・ランブレイが作り出すワインだ。1996年から新オーナーとなり評価が上がっているので、久しぶりに開けることにした。

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 麝香、ムスクの香りが特徴的・・そこからインクに黒胡椒、舌先にトロリとした厚みのある甘味。黒い果実の凝縮感がヒシヒシと迫ってくる。余韻はスパイシーさとともに長い。重々しさ・重厚さはクロ・サンドニ村のテロワールを忠実に表現している。そこからさらに1歩進んだ味わい・・そうどこか洗練された味わいがこの畑の特徴なのかもしれない。

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 そして元日、新年を祝うシャンパーニュとして選んだのはプレスティージの「クリュッグ クロ・ドゥ・メニル(Krug Clos du Mesnil) 1998年」。1843年の創業以来、複数の原酒をブレンドするクリュッグ。その伝統に反してまで作り出したのがこのクロ・ドゥ・メニルだ。コート・デ・ブランのメニル・シュール・オジェ村の1.85ヘクタールにて生産されるシャルドネだけを使用している。

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 きめ細かい泡が立ち上がり、ミツやイーストの落ち着いたアロマ。口に含むとシャルドネの旨み・・滑らでエレガント。余韻にはミネラルとかすかな苦み。圧倒的に大きなエネルギーを秘めている感じだろうか。全てが繊細なのだが全てがきれている。お節料理にも合ったし、妻もとても気に入っていた。

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博多 い津み、旬のフグ刺し 白子を満喫する年の瀬

livarot.gif正月に向けて年末の買い出しと言えば、博多ではまず一番に名前があがるであろう「柳橋連合市場」、今日明日はさすがに人出もすごいはずだ。その博多の台所にほど近い住吉橋のたもとにある「博多 い津み」、先日は今年の走りの河豚を楽しんだが、今夜は白子を含め旬を味わいに再訪した。黒を基調としたコンクリート打ちっぱなしの建物が凛として佇む。

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 ちなみに東京ミシュラン1ツ星の「い津み」は、10年程前まではここ「博多 い津み」が経営していたもの。当時は女将も頻繁に上京してなかなか大変だったという。撤退する際に店が入ったビルの大家が「もったいないから」と引き継いで経営し、今では河豚も別の仕入れ先になっているという話だ。ミシュランの店名表記は「い津み」だが、店自体のサイトでは「博多 い津み 赤坂」を今でも名乗り、博多を強調する印象を残している。

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 1階にはカウンター席とテーブル席。階段を上がると2階には広い玄関ホール、坪庭もあり余裕のあるスッキリした風情だ。広間や個室が配置されているが季節柄忘年会など団体客で満室ということ。私たちは静かに掘りごたつの個室(二人用)で天然ふぐを頂く。

 まずは「ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン・ブリュット イエローラベル(Veuve Clicquot Ponsardin Brut)」で乾杯しながら、お馴染みの河豚皮の「煮こごり」に箸をのばす。飴色で艶々に輝く大きな煮こごり・・一口含むと柔らかく上品な旨みが広がる。シャンパーニュの綺麗な酸、イースト香、旨みは和食との接点も多く合わせ易い(ただし置いてあるのはヴーヴ・クリコのみ)。

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 さてお待ちかねの「ふく刺」が登場する。厚みのある2枚引きの身が綺麗にそして皿一杯に盛られている。身はほぼ一日置いて直前に引いたものという。繊細な旨味が際立っており、淡泊でいて奥ゆかしい深みも兼ね備えた味わい。特製ポン酢の穏やかで適度な柑橘系の酸味がまたその味わいを引き立てる。添えられるふぐ皮もプリプリとしていて美味なアクセントだ。

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クリスマス・イヴ、静かに愛を語るロマンティックなワイン

livarot.gifクリスマス・イヴに開けるシャンパーニュは、やはり妻や娘が喜ぶピンク色にしたい。そこで今年は「クリュッグ・ブリュット・ロゼ (Krug Brut Rose)」、淡いパステルピンクのラベルも可愛い。1843年に創設されたクリュッグだが、このロゼは1983年が初登場。年間4万ケースしか作られていない。

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 グラスに注ぐと微かに立ち上った泡はスーッと消えていき、いかにも熟成を感じさせる。オレンジかかったピンク色が美しく妻も「わ~い♪」と楽しそう。桜・イチゴ・ベリー・・そして上質で奥深いカフェインのアロマが印象的。舌先にトロリとした甘味、そこから余韻にかけて高貴な広がりを見せる。
 全体のバランスを乱さない程度の、しかし特徴的な甘味がクリスマスの雰囲気にぴったり。シェリー香は感じられない。長期熟成による穏やかでいて品のある印象は、どこか「
クリュッグ グランド・キュヴェ」に通じる。

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 600日間熟成「パルマ産生ハム」やモッツァレッラ・ヴァッカを使った「インサラータ・カプレーゼ」よりは、ドサージュによる甘味だろうか?ジャン・ポール=エヴァンの「ショコラケーキ」やケベック・メープルシロップ(No.1 EXライト)を塗ってオーブンでじっくりと焼き上げた「シナモン風味のローストチキン」に良く合った。1時間経って温度を10度程に上げたところで白ワイングラスに変える・・余り印象に変化はない。

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 「北海道網走産イクラを乗せたアンディーブ」は、レモン汁の酸味がシャンパーニュとつないで、イクラのねっとりしたクリーミーさを引き立ててくれた。そうそう、ピンク色に合わせたという「北海道産鮭の軽いクリーム煮」は、火を入れた紅芯大根のかすかな苦味とビネガーの酸味が見事にシャンパーニュに寄り添ってくれた。
 優しく滑らかな味わいのロゼ・シャンパーニュ「クリュッグ・ブリュット・ロゼ」。1本通して飲むと後半はやや飽きが来るものの、「最初の乾杯」ないし「最後の乾杯」にこの1杯あれば極上の気分になれるであろう。

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リストランテASO × レストランひらまつ、華麗なるクリスマス・ガラパーティー

livarot.gifアジアの玄関口としての発展を続ける九州・福岡。今年9月、その最も中心部である天神にオープンした「リストランテASO」が、今年初めてのクリスマスを迎える。毎年参加している平松宏之社長主催の「レストランひらまつ博多」クリスマス・ガラパーティー。今年はなんと「レストランひらまつ博多」と「リストランテASO天神」の合同のクリスマスパーティーとして、新店舗の「リストランテASO天神」にて盛大に開催された。

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 いつものダイニングではなくウエディング用の会場に案内される・・既に100名近い参加者で賑わっており熱気に包まれていた。そんな中、まずはお馴染み「ドゥラモット ブラン・ド・ブラン リストランテASO(Delamotte Brut Blanc de Blanc Ristorante ASO)で乾杯。ASOがドゥラモット社に特別に作らせているものだ。
 穏やかで品格のある酸味が身体に染みていく・・シャルドネの優しい旨みが優雅な気分を引き出す。ノンドサージュによるピュアなシャルドネの風味を、グアンチャーレで包んだベルガモットの香り漂うヴィスコッティとともに楽しむ。

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 平松社長が「ASO代官山」から「ASO天神のシェフ」に抜擢された吉越謙二郎シェフを紹介し、乾杯の音頭で宴が始まる。「ひらまつ博多」のオープンは1999年、12年を経て今ではグループ3店舗(ひらまつ/ASO/ボキューズ)になった。レストラン文化不毛の地と言われた九州に、レストランの楽しさを根付かせた功績は大きいだろう。

 さて美しい彩りの「さまざまな前菜の盛り合わせ」が豪勢に登場する。7種類もの華やかな前菜は、「ポルチーニのスープ」「自家製リコッタチーズと生ハム」「茄子と赤ピーマンのエスプーマ」「自家製スモークサーモン 杉の木の香り」「黒トリュフ風味の玉子とキノコ」「甘海老のマリネ ディルの香りのアボガド」「フォアグラのソテー モッツアレラチーズのコロッケと共に」だ。

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 ポルチーニのスープは、何と「ひらまつ博多」の水元康裕シェフ自ら会場の中でサイホンで完成させる。乾燥ポルチーニのエキスを抽出した香り高いスープだ。
 黒トリュフジュースで香りをつけた卵のムースのねっとり魅惑的な味わい。ハーブの漂う甘エビにホワイトバルサミコのゼリー。滑らかでいてリッチな赤ピーマンのムース。杉チップで燻ったスモークサーモン・・・色鮮やかな彩りに加え、多種多様な香りがパーティーの華やかさを更に盛りたてる。

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 フロアーには星野茂宏支配人率いる「ASO天神」陣、南和憲支配人率いる「ひらまつ博多」陣に加え、「ASO代官山」からのスタッフ達の顔も見える。ガラパーティーらしい豪華な顔ぶれによる贅沢なサービスだ。「リストランテASO」自体のガラパーティーは今回の福岡天神店が初の試みらしく、スタッフも皆緊張しているとのこと。

 ここで「ずわい蟹とからすみのスパゲッティー」が運ばれてきた。からすみスパゲッティーはASO定番パスタの1つ。ずわい蟹の身がたっぷり盛られ、イタリア産カラスミのパウダーが目の前でふんだんに振りかけられる。アサリの出汁とずわい蟹の身・ホタテ貝・マッシュルームが混じり合うと、複雑で確かな旨みがあふれてくる。この万人の味覚に訴えてくる、安心できる美味しさがASOの強みだろう。

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 これに合わせる白は「アルフォンス・メロ サンセール レ・ロマン(Les Romains Sancerre Alphonse Mellot) 2007年」。ロワール地方の代表的なドメーヌ「アルフォンス・メロ」。その中から杉山大治ソムリエがチョイスしたのは、魚介に合うと言われている「レ・ロマン(Les Romains)」。蜜っぽい香りだが、口に含むときゅっと引き締まった柑橘系の酸味が広がる。まさにサンセールらしい軽やかでしなやかな味わい。

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